ARSENALE
・MONIKA SOSNOWSKA (Poland) "UNTITLED(CORRIDOR)" installation
パースペクティブのついた通路を設置。奥に行けば行くほど実際に狭くなっているので、すぐ向こうに見えているドアまでたどり着く事が出来ない。自分が大きくなっていくような錯覚にもとらわれる。子供が這って行くとかろうじて奥まで行ける。作品の構造自体はとても単純なものだし、誰もが一度は考えそうなものだが実際に体験してみると単純なだけでないなにかがある。
・MLADEN STILINVIC (Croatia) "DICTINARY PAIN" tempera on paper
一冊の辞書の破かれた全てのページ、各語の意味の箇所を白く塗りつぶし、全ての語の意味として"PAIN"をいちいち書き込んである。AからZまで全語。全て"PAIN"。一見地味な作品だが、旧ユーゴのことなどが一度頭をよぎると忘れられない。
・YANG ZHENZHONG (China) "LET'S PUFF" video installation
向かい合わせになったスクリーン2つ。街の映像(眼の高さ、歩く人々、車、建物)に向かって、反対側のスクリーンからずっと息を吹きかけ続ける。息を吹かれた街は少しだけ揺らぐ。
全体的に映像作品が多い。そしてほとんどが面白くない。あれだけの量の映像を並べられると、面倒になってほとんどは見たくなくなってくる。見たいと思わせるしかけ、印象を持たない作品は正直つらい。時間を搾取された不快感だけが残る。
後は言語の問題。言語的な記述だけに頼っているものはこういう場ではほとんどメッセージ性を持たない。それと政治的なだけの作品。特に"CONTEMPORARY ARAB REPRESENTATIONS"というキュレイションの企画展。それぞれ重要で深刻な意味は持っているのだろうけれど、"美術"作品として成立していないように思われる。
企画展のブースとしては "ZONE OF URGENCY (緊急ゾーン)" が、作品、作家の量と圧倒的な濃さ、あくの強さ、ごちゃごちゃさで印象に残った。ビエンナーレやトリエンナーレなどになるとえてして限定されたスペースに紹介したい作品を無神経に詰め込まざるを得なくなり、見本市会場のようになってしまいがちだが(悪い例が横浜トリエンナーレ)、この"ZONE OF URGENCY"はそこを逆にとって成功しているように思えた。その他のブースは企画意図がわからないか、あるいは単純に面白くない。
