前回もそうだけれど、今回も映像が多い。ここまでもいくつかあるけれど、こういう場所でただ長い映像を何の工夫もなく見せられるのは本当に時間を搾取されている気がする。何かしらの入口を用意してくれていればすんなりと入っていけるのだが...
Mona Hatoum
そんな流れに少し辟易している中、このシンプルな作品はとても印象的。白い砂を金属の櫛がゆっくりと回転しながらレコードのような溝を刻み続けていく。Zen Gardenのような静けさとマスマティカルな造形の美しさ。
Blue Noses
嫌悪感を抱く人も多そうだが、自分的にはかなりハマったBlue Nosesのビデオ作品。はっきり言ってどれもふざけすぎなのだけれど、ステレオタイプなフェミニズムの作品に対しての強烈なアンチになっていて、そのシニカルさは痛快なほど。短いループの映像に早回しの高いキャッキャッという音声。
パンツを履いたままのSEXの真似事... 最初裸の女性が逃げてきて、何かと思うと次に今度裸の男性が追いかけてるかと思えばやっぱり何かから逃げていて、最後出てくるのは海で使うようなビニール製の空気で膨らますワニ... ピンに見立てた女性3人を自分が転がって倒すボーリング...
そんなくだらない映像が段ボールの箱の中に上から投影されていて、楽しそうな音声につられて箱を覗くとその光景である。それを見た瞬間の観客の反応がまた面白い。露骨に嫌悪感を現して目をそむける人、苦笑いするしかない人、じっと見入る人。子どもが楽しそうに見てたりするのはちょっと心配でもあるけれど。
さて、前のエントリーでの「Guerrilla Girlsがなぜ寒いか」にここで触れる。
Guerrla Girlsについては彼ら(彼女ら?)のサイトをどうぞ。
ゴリラのマスクをかぶったビーナスのポスターからメッセージを抜いてみる。
Do women have to be naked to get into the Met.Museum?
Less than 3% of the artists in the Modern Art sections are women, but 83% of the nudes are female.
この程度の作品がビエンナーレの最初を飾っていることに衝撃を受けて見なかったことにしようとまで思った。ふざけているのは全然構わないけれど、事実とユーモアとフェイク・ファーで戦うというのはその程度のことなのか?と。
ビエンナーレの作品とサイトのあまりにも「ステレオタイプ」っぷり、そしてケーテ・コルヴィッツにフリーダ・カーロにエヴァ・ヘッセを名乗るゴリラ達の「reinventing the "f" word: feminism!」というインタビューまで読んでいたら、実はちょっと印象が変わってきた。
「ここまでのベタさと寒さとステレオタイプっぷりは実は巧みに全部狙っているものだとしたら?」と思ったらちょっとまた違う悪寒が走る。
さて、そんなArsenalの中でやっぱり森万里子の作品が完全に浮いてて、注目を浴びていたのも忘れてはいけない。
Do women have to be naked to get into the Met.Museum?