ザ☆みうらじゅんと糸井重里「私のいる場所」

April 14, 2006 photographs

恵比寿ガーデンプレイスの目黒側の端、東京都写真美術館で開催中の「私のいる場所-新進作家展vol.4 ゼロ年代の写真論」を見に行ってきた。ハンガリーの作家Sarolta Szabo サボー・シャロルタをはじめ、写真展では珍しい塩田千春や、フィンランドの作家2人にこれまら意外なみうらじゅんまで。普段から「ハンガリー、ハンガリー」言っているおかげか最近ハンガリー情報が入りやすくなってきた。

アイノカテゴリーさて、期待をこめて久しぶりに見た写真展、ちょっとこう言うとみもふたもないようだけれど、みうらじゅんが一番面白かった。(関係ないけれど寝ないで仕事しながら、ほぼ日刊イトイ新聞内の「じゅんの恩返し」をポッドキャストで聴くのは、なんだか中学生の頃にAMの深夜番組のようで懐かしくて新鮮だった。)
技術もくそもない、ザ☆素人写真のみうら写真だけど、デジカメもまだない頃から毎日カメラを持ち歩いて、面白いもの、瞬間を撮り続けてきたみうらじゅんの姿勢は案外ばかにできない。いとうせいこうとのスライドショーがずっと続いている事実もある。美術館でみうらじゅんというのもたまにはありかもなと思った。

ただ、久しぶりに訪れた写真美術館はあちこちにカフェ・スペースやラウンジができていたりとやはり石原政策の匂いがぷんぷんで、みうらじゅんの参加もそんな流れかと言う気もしないことはない。まあ、そうだろう。

でもみうらじゅんのそういうネタ的な面白さはそれと認めた上で、それよりもっと面白い作品を期待していたというのが本当のところだ。


じゃあ他のは面白くなかったのかというと、そんなことはなくて北九州のユニット、セカンドプラネットの"An Interview with Andy Warhol 2006"や、ポスターにもなっているジャン=ポール・ブロヘスのシリーズ「雨を連れてきた男」は結構好きだ。

"An Interview with Andy Warhol 2006"というのは、早い話がイタコを通してかのウォーホルにインタビュをしている映像作品。といっても絵はイタコを映しているわけではなく、コマ送りのスライドのようなカメラがピカソのドローイングを映している。そして、イタコのはずしているようで皮肉にも取れるその回答の一つ一つがなんとも味わい深い。

ネタ自体は実は僕も以前考えたことがある。芸祭でイベントゲストに誰を呼ぶか、希望や予算の都合、スケジュールで困っていた頃に、「じゃあ、イタコを呼べば、誰のトークでも聴けるんじゃね?」なんて話で盛り上がったりもした。リアリティなんかもちろん期待してないけれど、イタコという存在自体がメディア(触媒=霊媒)として興味あったというのもある。結局、宮崎駿や水木しげる、古屋兎丸といった面々に断わられる中、来てくれたゲストは糸井重里(!)。結局それが正解だったように思う。イベントとしても成功だった。

その時「アーティストはどうやって食っていけばいいのか?」という問いに糸井氏が「バイトをして食っていけ」とはっきり言ってくれたのが逆に頼もしかった。歌が好きだったらカラオケ屋でバイトしているうちに、カラオケの先生になって、もっと歌がうまかったらそのうち冠二郎みたいにいつかデビューできるよ。

Stolen Moments: 表現活動と法 Arts & Law

あの場で糸井重里がうじうじした芸大生たちに向ってテキトーな優しい言葉でなく、はっきりそう言ってくれたのがどこかモチベーションに繋がっている気がする。

最近話が長くなりがちな気が... もう少しこの展覧会で書きたいこともあるのでとりあえずここまで。続きは次のエントリで。

私のいる場所-新進作家展vol.4 ゼロ年代の写真論
東京都写真美術館
2006年3月11日(土) ~ 4月23日(日)

Posted by Kei at 3:01 AM

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  • カタログ "Rachel Whiteread: Transient Spaces"

    July 2, 2007 art

    作品が作品(石膏を使った巨大な彫刻というか、建造物とも言えるインスタレーション)なので一つの作品の制作過程の記録がほとんどで、その分これまでの作品に対しての論述やそれまでの美術史中の作品との面白い比較がいくつもなされている。

  • 脳内のイメージ

    July 1, 2007 private

    これはひどい。

  • 「ヘンリー ダーガー」展@原美術館

    June 10, 2007 art

    美術の雑誌や本などでダーガーの絵自体はずっと見ていたのだが、いつもそのサイズはせいぜいA4の見開きくらいまでなので、意外に大きいその少女たちと作品のスケール感がダーガーの身体感覚として新鮮な驚きを得られるものだった。

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