July 2003 Archives

ベネツィアを後にする

ザグレブ行きの電車が夜9時までないので、また1日ぶらぶらする。水上バスはチケットがかなり高いのでまた1日歩き続ける。

p.m.09:19 ベネツィア出発。 寝台車にてザグレブに向かう。寝台車自体日本も含めて小さいとき以来。あまり居心地良くはないけれど、横になれるだけまし。

男3人でゴンドラに乗る

Peggy Guggenheim Museum。この日、初めて知ったのだがグッゲンハイム美術館はNY、ビルバオ、ベルリン、ベネツィアにあるらしい。フランク・ゲイリー設計のビルバオは知っていた。ベルリンでもグッゲンハイムを訪れていたんだけど、展示替えの準備中で見る事はできなかった。マッタ、ゴーキー、デュシャンのペインティングが良かった。この辺は実物を見るのは初めて。マックス・エルンストも。ここはカナル運河側にテラスがあり、そこでしばらくボーっとする。

サンマルコ広場近くの裏道で李さんにまた出くわし、多治見の黒岩さんと男3人でゴンドラに乗る事に。一度は乗ってみたいと思っていたけど、男3人だけとは...黒岩さんは李さんが話しかけて知り合いになった人で、陶芸をやっている人。もう1ヶ月もベネツィアにいるらしい。李さんは写真を撮るのと、ゴンドラがちゃんと希望通りのルートを通るか見張るのに夢中なので、黒岩さんといろいろ話しながら、45分のゴンドラをのんびりと楽しんでまたスタート地点に戻ったところで解散。

昼食、マクドナルドに行ったが、セットで6ユーロもした(800円弱)。

なにかの縁

あまりの陽射しの強さで、サングラスを購入。ベネツィアに来てから知り合って、同じホテルに泊まっている李さんと夜、話をする。李さんはもう日本に4年いて今は、京都精華大学にて油彩を勉強しているらしい。そんな人にバッタリ会うのもなにかの縁。占いやら、日本と中国の文化の違いやらいろいろ話して盛り上がる。彼は、ベネツィア・ビエンナーレをやっている事など全く知らず、ヨーロッパをいろいろ回りながら、絵の資料となる写真を撮りたくて来たようだ。

ベネツィア・ビエンナーレは今回初めてだったわけだが、「こんなものか」というのが正直な感想である。もちろん挙げたような興味を持った作品、面白い作品なども数多くあったわけだが、上の3会場の他のパヴィリオンなども含めてレベルはあまり高くなかったように思う。新作ばかりでない事をはじめて知った。もう既にみんな知っている評価の定まっている作品も多かった。会場外のパビリオンを回りたくてあちこちに足を運ぶが道に迷ったりしてたどりつけない。パンフレット、カタログのマップがとても不親切。

GIARDINI DELLA BIENNALE

Ruri (Island)

 "Archive - endangered waters"
 水のアーカイヴ。引き出して見れる巨大な水のカタログ。アイスランド館全体に響く滝の流れ落ちる音、ラックから引き出した水の巨大なトランスペアレントな写真を通した自然光など、空調のしっかり効いた部屋とあいまって気持ちよく美しい展示空間を構成していた。

Michal Rovner (Israel)

 人間のグループの歩く動きをビデオで。→微生物あるいは染色体の動きをシャーレ、顕微鏡で覗き見るように。→最後の部屋では部屋の壁全面に行進する人の群れを映し出している。今回のビエンナーレで一番圧倒され、感動したビデオインスタレーション作品。イスラエル館の構造により決定される順路を効率よく使っての展開が圧巻。一番完成度が高く、個人的には今回のベスト。金獅子賞の候補にもあがったらしいが、染色体についての倫理的な問題(的外れだと思う)という理由などでもれたらしい。

ベネツィア・ビエンナーレを見る

この旅の目的の一つ、ベネツィア・ビエンナーレへ。ベネツィア・ビエンナーレはメイン会場の Giardini della Biennale と Arsenale, Museo Correr を中心に、町のあちこちにもいろんな国のパビリオンが点在して開催されている。

ARSENALE
・MONIKA SOSNOWSKA (Poland) "UNTITLED(CORRIDOR)" installation
 パースペクティブのついた通路を設置。奥に行けば行くほど実際に狭くなっているので、すぐ向こうに見えているドアまでたどり着く事が出来ない。自分が大きくなっていくような錯覚にもとらわれる。子供が這って行くとかろうじて奥まで行ける。作品の構造自体はとても単純なものだし、誰もが一度は考えそうなものだが実際に体験してみると単純なだけでないなにかがある。
・MLADEN STILINVIC (Croatia) "DICTINARY PAIN" tempera on paper
 一冊の辞書の破かれた全てのページ、各語の意味の箇所を白く塗りつぶし、全ての語の意味として"PAIN"をいちいち書き込んである。AからZまで全語。全て"PAIN"。一見地味な作品だが、旧ユーゴのことなどが一度頭をよぎると忘れられない。
・YANG ZHENZHONG (China) "LET'S PUFF" video installation
 向かい合わせになったスクリーン2つ。街の映像(眼の高さ、歩く人々、車、建物)に向かって、反対側のスクリーンからずっと息を吹きかけ続ける。息を吹かれた街は少しだけ揺らぐ。

MUSEO CORRER
・村上隆とルイ・ヴィトンのコラボレーションによる "SUPERFLAT MONOGRAM" video
 好き嫌いの問題ではなくて、日本的な造形の平面性、ポップさ、キュートさ、そんなアニメーション的な要素の全てが適切な長さのビデオクリップに詰まっている。海外で村上への評価が高い理由が少し分かる気がする。Arsenale でただ長いだけの映像作品にうんざりしていたからよりいっそう心地よく感じられた。

"ラウシェンバーグから村上まで"と題し、これまでの絵画作品、平面作品を集めている。知っているものも多く、新鮮さは全く無い。絵画はもう他のものと切り離さないと扱えないのかと思うと少し淋しくなる。

ベネツィア上陸、痛いくらい暑い

a.m.08:47 ベネツィア・サンタルチア駅着。 3人がインフォメーションにて安いホテルを紹介してもらっている間荷物番をして待ったいたら3人が謎の中国人、李さんと戻ってくる。誰に聞いても見つからないホテルをどうにか探し出し、少しゆっくりした後、昼食がてら外に出るが、とても暑い。というか痛い。本当にサングラスが必要。ゴルゴンゾーラのピザ。超うまい。日本のピザ(特に宅配ピザ)はチーズや焼き方に自信ないからやたら具を多くしてごまかしている感じだが、こっちのピザはそれぞれ具はわりとシンプルだ。チーズが最高にうまいし、ちゃんとした釜で焼けばそれだけで十分。マルゲリータがいい例。坂根さんが頼んだネーロ(黒。イカ墨のことね)。のスパゲッティもすごいうまかった。店の人も陽気で気持ちいい。食後、暑いので一人だけホテルに戻ってぐったりして過ごす。2日くらい前から食用と胃腸の機能のバランスがとれず、すぐ気持ち悪くなる。美味しそうな食べ物が多いので食欲は存分にあるから、さらにつらい。夕食はとらないことに。

列車にてベネツィアを目指す

p.m.05:58 プラハ出発。列車にてベネツィアに向かう。

p.m.10:45 ウィーンにて乗換え。

普通に町の様子を

古い城とか教会には全然興味ないし前回見ているので、普通の町の様子、人の様子を見にあちこち回り写真を撮る。夜8時~ 王の道マリオネット劇場にて「ドン・ジョバンニ」。全く同じところで同じものを2年前にも見ているが面白かった。

プラハに入る

p.m.02:03 ツォー駅を出て列車にてプラハへ。 向かう電車の中、冷房の効きが弱い事もあってみんなでビールを飲みまくりいい感じ。

p.m.07:37 プラハ着。 2度目のプラハ。もう日も落ちてきたが旧市街までみんなを案内する。レストランにて食事。こっちでは定番らしい"ローストポーク・クネドリーキ・ザウアークラウトの甘煮"にルッコラ・エビのタリアテッレ、ピルスナー・ウルケル。美味美味。ザウアークラウトはドイツでももちろんあったけど結構好き。クネドリーキはあまり好きじゃないな。ベルリンの女の人はみんな太っていたけど、プラハはみんなスリムできれいだ。

フェルメールにバウハウスに

この日は全く交通手段を使わず、全て徒歩にて移動。

ケーテ・コルヴィッツ美術館。彼女は大戦を挟んで彫刻やデッサンを残している作家で、予備校時代に教わっていた先生の中にケーテ・コルヴィッツのデッサンについて話す人がいたのと、少し前にあるサイトで話題になっていたので訪ねてみた。個人的には別に好きな作家ではない。

bauhaus-archiv。実は前日も来ているのだが、ここは火曜休館なのでまた来たわけだ。この旅にバウハウスのTシャツを持ってきていて、それは東京で買ったものだがそんなものがあればお土産に買おうかと思ったが無かった。バウハウスは美術に本気になりだしたときに雑誌などで興味を持ち、今は無きセゾン美術館で見たのを覚えている。デザインだけでなく、カンディンスキーの絵もずっと好きだった。

文化フォーラム・絵画館。フェルメール2枚。フェルメールの実物を見るのはこれで5枚か6枚目だと思うけど、絵に閉じ込められている静謐な時間にあらためてやられる。自分にとってフェルメールは特別な存在なのだ。写真を始める前から好きだったが、写真に深く関わりだしてから少し自分が惹かれる理由がわかるような気がする。

こっちの女の子はみんなおへそというかおなかを出して歩いているが、そんなに見せびらかせるようなおなかばかりではない。どっちかというとだらしない体をしている。関係ないがSMARTという車がかなり多い。全体の4分の1くらい占めそうなほど。夜、SONYセンターのキノにて"MATRIX 2"をみんなで見た。ドイツ語でなく英語だった。ロイ・ジョーンズJr(一番好きなボクサー)が出ているのにびっくり。

ハンブルグ駅現代美術館

Hamburger Bahnhof Museum。印象に残ったのは、ダミアン・ハーストの薬の作品(ベネツィア・ビエンナーレに出てるはずじゃないっけ?)、ウォルフガング・ティルマンスのインクジェットプリントの写真、Peter Piller という写真の作家。採光や広さなど一番いい場所を占めているのはアンセルム・キーファー。

ヨーロッパ入り、ベルリンへ

a.m.00:05 バンコック離陸。 機内食 夕食 チキンのマリネ・レッドワインソース。朝食 クレームド・アスパラガスのクレープ。どちらも悪くなかった。やっぱり牛肉だけだめなのか?

a.m.05:44 フランクフルト着。 ユースホステルに1泊してそこを拠点にブラブラするつもりが、ユースの感じの悪さと月曜なので museum がみんな休みだったため予定を早めてベルリンにむかう事に。このとき知らなかったのだが、フランクフルトにフェルメールが2枚ある事を後で知り、ちょっと残念に思う。

a.m.11:13 ICEにてベルリンへ。 54ユーロ。

a.m.03:20 ベルリン・ツォー駅着。 グレゴリーのバックパックとA&Aのカメラバッグ、マンフロットの三脚を持って歩くのは結構つらい。荷物はまだまだ減らすべきだったか。Europa Center 前にてビールと簡単な食事。easy internet cafe にて先にサラエボに入っていた草平からサラエボでのスケジュール案をメールで受け取る。

成田からバンコックへ

a.m.11:19 成田離陸。 タイ航空にてバンコックへ。機内食(ビーフステーキ)かたくてまずい。タイの人は牛肉食べないのだったっけ?

p.m.03:08 バンコック着。 次に乗るフランクフルト行きまで9時間弱の長い長いトランジット。何して時間つぶせばいいんだ?空港のレストランにてグリーンカレー、トムヤンクン、ワンタンスープ、シンハービール、フルーツ盛り合わせなど(もちろん一人でこんなに頼んだわけでなく、同行の3人で)。辛さを"ちょっとだけ辛い"ランクにしてもらったらあまり辛くは無いけどとても美味しい。DUTY FREE SHOPにおいてあるようなものにも興味ないし時間つぶすのに苦労する。空港の外に出ないのでタイバーツに少し両替するかどうか迷ったがカフェなどに入るために少しだけ替えた。

働きづめ、飲みづめ

1ヵ月何も書いてないのは初めて。もちろんただほったらかしていたわけではなく、いろいろ忙しくて地獄の一ヶ月でした。PCの電源さえ入れない日が多かった。夏の間全く収入が無くなるわけなので毎日働きづめ。それで拡がったこともあるし、まあ良し。というか必要なので仕方なし。

今週はたくさん飲んだなー。みんな俺が帰って来れないと思ってるんだろうか。善ちゃん、北岡さん、浦木、近ちゃん、カスチン、なっちゃん、愛ちゃん、ヒロ、高久、長南、ジュンジュン。

もう卒業まで少し

芸大卒業制作へのプラン、これまでを通してのリクエスト講評。今年から芸大の教官になった中村政人氏を呼ぶ。十分なだけの時間をとってプレゼンして話が出来たわけでは無かったが、感触はまずまず。戦略的、実際的な話のできる人だと思う。まだどういう人かわかるところまでではないけど、中村研も考えてみたい。

サラエヴォへ

いよいよ日曜にはヨーロッパに向けて発つ。最初考えていたようなところまで実際できるかどうかかなり怪しくなっているところもあるが、今年だけで終わらせるつもりも無いし、できるところまでやるだけやってみる。最悪、何も出来なくて無力感、、挫折感を味わったとしてもそれも次への大きな力になるでしょう。前向き、前向きで。

その後、中国へ行くことになりそう。

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