May 2006 Archives

「ヤースナも亡命を考えることがあるの?」
ヤースナは頷いた。
「でも、私にはボスニア・ムスリムという自覚はまったく欠如しているの。じぶんは、ユーゴスラビア人だと思うことはあってもね。ユーゴスラビア人を愛しているというよりも愛着がある。国家としてではなくて、たくさんの友人、知人、隣人がいるでしょう。その人たちと一緒に築いている日常があるでしょう。国を捨てようと思うたびに、それを捨てられないと思うの」
「ねえ、ヤースナ、カレメグダンの公園て、ここから近いんだよねえ」
「うん、行こう」

嘘つきアーニャの真っ赤な真実/米原万理

冷戦時代のプラハのソビエト学校で小・中学生時代を一緒に過ごしたギリシア人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカ(=ヤースナ)を翻訳家でロシア文学者の米原万理が訪ねる。

各国の共産党員や政府の重要なポストについている親の影響か、こどもながらに共産主義の理想への陶酔も反発も故郷への郷愁もそれぞれに強く感じていた彼女らが、子供を持つ大人になり、ソ連=東欧が崩壊していく中どう変わったのか、あるいは変わらなかったのか。

ビクトル・エリセの「エル・スール」で、盲目的に愛していた父親に知らない女性の影があるのを知ってしまった主人公の少女が、その女性の存在をきっかけに大人になっていくように、こどもの頃知らなかった共産主義の理想に隠れた一般人の生活の様子や、自分と自分の家族の生活のリアリティの中で国家、民族、家族への思いは変化していった。

初回版アワーミュージックDVD

Notremusique1

ちょっとフルクサスの話を一休みして、ついに昨日発売になったゴダールの『アワーミュージック』のDVDについて。ここでも何度もとりあげたし、今月の“Flavor of the month”でずっとサイドバーに出してますが、その初回版がなかなか嬉しい出来になってるのでご紹介。Amazonで予約したら発売当日の昨日のうちにちゃんと届きました。

Notremusique2ブックレットの執筆者の一人でもあるイルコモンズこと小田マサノリさんのブログでも触れられてますが、

とにかく嬉しいのは上映された生フィルムが入ってること!ちなみに僕のはモスタルの川辺でデジカメのモニターを見ているオルガのシーン。嬉しいです、これ。

アワーミュージック他にもシリアルナンバー入り(ちなみに2563/3000でした)の144Pブックレットがついて、DVDパッケージの内側はゴダールが育てていた花が溢れるピクチャー仕様。

いつまで初回版が出回るのかわかりませんが、Amazonでは今20%OFFなので、迷っている人は間違いなく今のうちにゲトることをおすすめします。

簡単なフルクサス予備知識

いきなり「フルクサス」や「FLUXUS」だの言ってもあれなので、ちょっと簡単にですが「フルクサス=FLUXUS」の予備知識をまとめてみます。

フルクサスって?

FLUXUS
浄化、連続運動、流れる水、溶解、腸の洗浄...

デザイナーで建築家でもあったジョージ・マチューナスが、「フルクサス的」と認めたアーティストを組織したグループ。とは言っても、グループの性格は作家を束縛するような○○主義あるいは一定の方法論を根底に持つものではないので、緩い共同体の中で、作家同士や作家とオーディエンス、批評家やコレクターなども巻き込んだ作品を展開していた。

音楽出身の作家やジョン・ケージのクラス出身が多いこともあり、パフォーマンスが重要視され、それらは「イベント」や「ギャグ」と呼ばれることも多い。作品のいくつかは先に挙げたYoutubeで今すぐにでも見ることが出来る。

実験音楽・サウンドアートというページではフルクサス関連音源のガイドも。

また正確にはメンバーではないけれど、フルクサス自体に影響の大きいジョン・ケージの代表作「4分33秒」も参考に。(残念ながら当時のものではない)

ビデオ見るのが一番早いです。

1995年のフルクサス

Studiovoice9504右は雑誌「STUDIO VOICE(発行INFAS)1995年4月号で特集は『フルクサス発 -インターメディア・アートの出発点から』。室井尚のテキストから中村さんによるザ・ギンブラート&新宿少年アートのレポートまで内容はとても充実している。95年といえば、日本のインターネットはまだ黎明期。「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」の年表より当時の参考になりそうなトピックを抜き出してみると、

1995(平成7年)
01/01 日本IBMのウェブサイト開設。
01/26 富士通「Info Web」のウェブサイト開設。
03/02 米「Yahoo!」開設。
03/20 オウム真理教による地下鉄サリン事件。

という年。一部の大学や企業にいる人を除いて多くの人はインターネットに直接触れてなかった頃だ。この号の冒頭で室井尚はこう書いている。

ハーモニアスな感覚統合しか目指さない「マルチメディア」や、等質なシステムの上に構築された「インターネット」が今の話題の中心である。だが、そこはフルクサスの「インターメディア」がもっていた大事なものが抜け落ちているような気がしてならない。あらゆる異質なジャンルの中に新しい組み合わせを作り出すこと、出会いを作り出していくこと、要するにハイブリッドでルートを欠いた軽やかな(そしてブルトン的な意味で「痙攣的」な)知をディジタル・メディアの中に導入していくことが必要なのである。その意味で今時代はフルクサスなのだ。

ディジタル・フルクサスに向けて(STUDIO VOICE Vol.232 1995年4月号) /室井尚

初めて「フルクサス」と名付けられたコンサートが開かれたのが1962年、インターネット黎明の1995年、そして現在。インターネット状のコンテンツがどんどん拡大していく2006年に、一体フルクサスから何を学べばいいだろうか。

新しいメディア/フィールドとクリエイティビティ、社会との関係性を考えてみるために、FLUXUSを参照してみるのはいつだって有効なように思う。
まずはYoutubeで見られるFLUXUS関係のビデオをリストアップ。11PMでのナム・ジュン・パイク特集なんて特に面白いので是非。

フルクサスとは何か? -日常とアートを結びつけた人々フルクサスとは何か? -日常とアートを結びつけた人々
塩見 允枝子 (著)

今までもフルクサスは多くの展覧会や雑誌の記事などで取り上げられてきたが、実際にフルクサスの中でジョージ・マチューナスらと一緒にイベントをしていた作家自身の日本語によるテキストとして、昨年発行されたこの本は重要。オノ・ヨーコやヨーゼフ・ボイスに引っ張られない当時の記述はとても興味深い。

この本からFLUXUSとアーティスト、クリエイティブ、作家性などについて少し考えてみます。

FlickrとCCとアーティスト 2

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Uploaded on May 15, 2006
by jakedobkin

ここで最初のjakedobkinの写真にまた戻ると、彼の場合は街中のグラフや落書き、ストリートアートを写真に収めてアーカイブしているわけで、それぞれの作品はjakedobkinの手によるものではない。というか、本来のグラフは法的にアウトな中でのメッセージや絵の魅力と、そこに表れてくる作家性との間でのオリジナルとコピー、アノニマスのジレンマが大きな魅力であったはずだ。

彼の場合、自分の足で集めたそのグラフの数は4,482枚にも及び(5/22現在)、その量と姿勢は一つのクリエイティブなカタチであるようにも思われる。

サンプリング、リミックスという手法を軸に成長し、また音源の著作問題で一時大きな転換を迎えたHIPHOP。そのHIPHOPの中からこういう面白い試みもあった。

「Copyright Criminals Remix Contest(著作権違反者によるリミックスコンテスト)」と呼ばれるコンテストは、非営利組織の「Creative Commons」が主催するもので、リミックス文化の促進と、Millerらが取り組んでいるような、自分の作品を合法的かつ手頃な価格で提供し、他のミュージシャンがそれらの作品を操作できるようにする活動の奨励を目的としている。

ヒップホップがクリエイティブコモンズと出会う時 - CNET Japan

CCライセンスは決して著作権の放棄ではなくて、権利の及ぶ範囲と条件を明確にしようというものなので、こういう可能性も考えられる。

レコード業界が保有する過去の作品の巨大な宝庫をリミクサーに開放すれば、それらの作品の利用が莫大な経済的利益を生む可能性があることを同業界は認識すべきだ、と主張している。

クリエイティブなこと、クリエイティブを妨げていること、著作者に有益なことって、本当は何でしょう?

FlickrとCCとアーティスト 1

| 2 Comments
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Uploaded on December 13, 2005
by jakedobkin

もしもし。
flickr! には“Favorites”という機能があって、他の人がアップロードした写真のうちお気に入りのものをまとめてリストに入れておける。相手が“contact(mixiでいうマイミク)”でなくてもOKで、他人が“Favorites”に加えると本人には通知されるので、結構嬉しかったりする。

左は僕のお気に入りの中でも特にお気に入りの一枚で、写真を撮ったjakedobkinのタグによると、ロスに描かれていたグラフらしい。いいでしょ。グラフィティにロス、髑髏という怖そうなイメージと「もしもし」のギャップ。

flickr!ではその写真ごとについての権利をCCによって、本人が明記出来るようになっている。
例えば上の写真の場合、“by-nc-sa”という権利が付されていて、

BY
帰属. あなたは原著作者のクレジットを表示しなければなりません。
Non-Commercial
非営利. あなたはこの作品を営利目的で利用してはなりません。
Share Alike
同一条件許諾. もしあなたがこの作品を改変、変形または加工した場合、あなたはその結果生じた作品をこの作品と同一の許諾条件の下でのみ頒布することができます。

という条件を守れば、本作品を複製、頒布、展示、実演することができて、二次的著作物を作成することができるということになっている。

今回自分のFavoritesからいくつか紹介しようと思ったけれど、CCライセンスを積極的に利用してるものは意外に少なかったので、もし興味あれば、ここからどうぞ。

どれもお気に入りです。食べ物の写真が多いのは気のせいです。

中学生時代と読書

本屋が好きなので、週に3,4回は足を運ぶ。定期的に購読している雑誌があるわけではないし、立ち読みに入り浸っているわけでもない。欲しい本はたくさんあるのだけれど、もちろん全部読むわけにはいかず、あれでもない、これでもないとうろうろする。Amazonにも結構お世話になるけれど、今読みたい本はさすがに地元の本屋で買う方が早い。当たり前か。

 中学生は本屋に来ない。だから中学生用のコーナーがない。久住さんは、その発想を逆転させた。顔見知りの常連も出てきた。それ以上に大人が関心を示した。リストを手にした親や教師から、「お薦めは」と聞かれる。子どもの読書量や性別を聞き、「じゃあ、これとこれ」と選ぶ。

asahi.com:「中学生はこれを読め」 書店主が推薦リスト、全国波及 ―暮らし

僕もやはり中学生時代は全く本を読まなかった。本当に、全く。マンガはよく読んだけど。当時学校にも親にも本や読書自体を勧められたけど、中学生ってそういうのに素直に従わない時期なんじゃないかと思う。その時読まなくても、読む人は言われなくてもいずれ読むし、読まない人は一生読まない。

Thunderbirdなんてどうでしょう?

メーラーって実はブラウザ以上に使っていると思うけれど、メールやアドレス帳の移行を考えると気軽には乗り換えにくいもの。メーラー側でデータのインポート、エクスポートが用意されている組み合わせのなら簡単だけど、残念ながら全て用意してくれてるわけではないし。

Get Thunderbird!Windowsはだいぶ前にOutlookExpressからThunderbirdに乗り換えたのだけど、Macはずっと使っているEntourageからそのままインポートができなかったのでしばらく躊躇。しかーし、いい加減 Entourageの重さ(重くないですか?スリープを解除したときとか特に。)に辟易したので、ついこの間思い切って完全に移行を決行。(そのうちこの作業手順をまとめてみるかも。リクエストがあれば)
いやぁ軽いってのはいいことです。ブラウザでFirefox使っているようにWinとMacで同じソフトで管理できるのも何かと便利。もちろんFirefoxファミリーなので拡張やテーマもいろいろとある。OSXの“Mail”風なんてのもあるけれど、今はこのテーマ“Phoenity”を愛用中。

Phoenity

Firefoxの浸透に比べるとThunderbirdはまだまだだけど、もし今のメーラーに不満があったり不都合を感じたら選択肢の一つに入れてみるのはどうでしょう?

忍者タイポグラフィー

Protectyaneck

このジェネレータはなんかすごい...かも。英数字のみだけど、入力したテキストを忍者が書いてくれるアニメーションGIFで書きだしてくれる。上の画像をクリックすると忍者の活躍の様子が見れる。ウータン・クランもびっくりだ。

それにしてもアニメーションGIFはまた流行ってたりするのだろうか?

これなんて意味不明だけどヤバい。というかサバい。素敵すぎる。でかいアニメーションGIFをCSSで背景に使うのも面白いかもしれない。

こっちはWEB上にあるアニメーションGIFを位置とサイズ指定してマッシュアップしてくれるんだけど、右メニューにあるサンプルがまたなんとも..."Dancing Gifs"とか。

やっぱFLASHよりアニメーションGIFのほうが好きかも。

出張ケータリン' 行ってきます

Salondekura

SALON de 蔵は、かつて福島県いわき市平の中心として栄えた「釜屋」の建物をリノベーション(改造)して生まれた、多目的ホールをメインとした複合施設です。

と言うわけで初の関東の外へ出張ケータリン' 行ってきます。

オープニング企画展「気韻」
5/3-21 11:00-19:00(5/3は15:00開場)

SALON de 蔵
福島県いわき市平五町目6-1

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