タグ: ヴェンダース

  • ベルリン、ヴェンダース

    Dck-Wimやっぱりベルリンでも映画を見たいと思い、こちらでも公開されたばかりのヴィム・ヴェンダースの"DON’T COME KNOCKING"をPotsdamer PlatzのCINEMAXで。

    「ベルリン・天使の詩」でブルーノ・ガンツが降りてきた広場の面影はもうすっかりない、観光スポットのポツダム広場で土曜の夜だというのに22:30~という最終上映回のせいか、人は全然いない。上映ぎりぎりにチケットを買ったにも関わらず、YUKIと正面中央の一番いい席で見る。

    ヴェンダースが英語で作品を撮るようになってからドイツで人気がなくなった、という話しを思い出しながら本編をまっているとなんとドイツ語吹き替え!サム・シェパードもジェシカ・ラングもティム・ロスもドイツ語を喋っている…もちろん自分はドイツ語さっぱり。なのであまり映画の内容について感想らしいことも言えないのだが、少なくとも「10ミニッツ・オールダー」の時よりは全然良い。言葉がほとんどわからない分、カメラワーク、表情に集中して見れたのは良かったのだけど、どうしても最後の長台詞だけは何を話しているのか知りたい。

    これもまたちゃんと見直さないといけない。

  • ブダペスト・天使の詩

    Libertystatue1もし自分がハンガリー語を話すヴェンダースだったら、きっとブダペストで「天使の詩」を撮っていたと思う。都市部ペストからドナウを挟んでブダの丘を見る時、ブダの山を抜けてペストへエルジェーベト橋を渡る時、ふと後ろを見上げると丘の上にたたずむその女神の姿に思わずどきっとする。

    あそこへ行きたいと思う。

    Gellert

    ゲッレールトの丘を登る。

    Libertystatue2四年前に初めてブダペストを訪れた時からずっと、ただこれが見たかったのかも知れない。

  • カエターノ/表現のフォーム、言語

    Caetano Veloso / a foreign sound (カエターノ・ヴェローゾ/異国の香り)の本人による解説、あちこちから抜き出されたミュージシャン達の言葉が面白い。輸入盤でも読めるが、自信ない人は日本盤の訳で。いくつか抜粋。

    フランク・シナトラ:
     ”ロックン・ロールはインチキ臭いしうそ臭い。そのほとんどはマヌケどもによって歌われ、演奏され、描かれている。しかも、愚かな反復と悪賢くて(sly)猥褻ではっきり言うと軽蔑すべき歌詞によって、世界中の髭を生やした非行少年どもに、最も勇敢な音楽として受け入れられている。不幸にも私が耳にした、最も野蛮で醜くて、絶望的で悪意に満ちた表現形式だ。”
    ジャキス・モレンバウム:
     ”アメリカン人は’愛のフィーリング’(’75年モーリス・アルバートのヒット曲。モーリスは生粋のブラジル人でブラジル録音。)が本当のアメリカ音楽だと思っている。おまけに飛行機を発明したのはライト兄弟だと思っている。”
    カエターノ・ヴェローゾ:
     ”イヴァン・リンスがミュージックでニルヴァーナはクズだ。”

    People all over the world would like to find a way of thanking American popular music for having made thir lives and their music richer and more beautiful.
    Many try.So do I.

    世界中の人々が、彼らの人生や音楽をより豊かでより美しいものにしてくれた、アメリカ音楽への感謝の方法を見つけたいと思っている。多くの人々がそのための努力をしているが、私もその一人である。
     ―カエターノ・ヴェローゾ

    カエターノ・ヴェローゾはこのアルバムで、ブラジルを知らないアメリカ人によるエセブラジル”カリオカ”、ニルヴァーナの”Come as you are”を歌っている。

    それで、カエターノによるニルヴァーナがまたいいのだ。「粋な男」は、60を過ぎているカエターノをおいては他にいない。

    (さらに…)

  • 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス

    10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
    2002年
    制作:ドイツ・イギリス
    監督:アキ・カウリスマキ、ヴィクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、チェン・カイコー
    恵比寿ガーデンシネマ

    上の監督の名前を聞いただけでも、ピンと来る人にはうずうずしてしまう、10分という持ち時間でそれぞれが作品を作り上げたコンピレーション。
    10ミニッツ・オールダーにはもう一つ「イデアの森」があり、そちらにはジャン・リュック・ゴダール、ベルナルド・べルトリッチ他が参加している。

    一番の感想は、下手な120分作品より全然密度が濃いと言うこと。詰め込む作家(カウリスマキ、ヴェンダース、スパイク・リー、ヘルツォーク、カイコー)と、断片として切り取る作家(エリセ、ジャームッシュ)とに大きく分かれるが(その境界もあいまいだけど)、総じてレベル、緊張感・完成度が高く、ただの寄せ集めには終わっていない。

    そして、それぞれについては...

    • ヴェンダースにはがっかりした。もう新しいヴェンダースは見たくないと思う。
    • スパイク・リーは相変わらず他人の土俵で相撲を取っている。
    • アキ・カウリスマキは「過去のない男」の横で作った感じが、らしくてにやっとした。
    • ヴィクトル・エリセは静かさと画面の美しさに感動した。
    • ジャームッシュは何も起こらない10分の切り取り方、構成が鮮やかだった。
    • ヘルツォークはスケールの大きいドキュメンタリーで、10分では収まりきれない感じ。
    • カイコーは他の作品とは異色だが今回の最後にふさわしい飄々とした締めだった。

    自分的ベストはヴィクトル・エリセの「ライフライン Lifeline」

    それぞれの作品をつなぐ川の映像とトランペットの即興演奏も印象に残る。

    世間一般にはあまり人気が無いようでがらがらだったのが気になった。

    (04/08/31 “イデアの森” についてはこっち

  • ここではないどこか

    旅のチケット

    旅 「ここではないどこか」を生きるための10のレッスン』。タイトルに「旅」とあるとどうしても気になってしまう。それにこれのポスターやチラシのセンスが自分にぴったり来た。実際、チケット、会場案内、カタログと全てボーディング・パスやパスポートなどをイメージしてトーンが統一されていたのはなかなか気持ちよかった。カタログはサイズが小さいため、凝っているわりには900円と安い。みんな買っていたようだ。大体、展覧会のカタログは高いので、その辺りもちょっとした差別化というか、ポイント高いところ。

    エキシビションの中身だが、全体としては非常に静かなテンションなのだが、感じがいい。滝口修造の『リバティ・パスポート』、小野博の『When Tomorrow Comes』、ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの『エアポート』などが良かった。僕自身、空港では必ず飛行機の写真を撮る。これから始まる旅への感情と不安、あるいは慣れない居心地の悪い場所で持て余した時間。そういえば、ヴィム・ヴェンダースも飛行機の窓から翼越しに見える空をカメラにおさめて、「こんな映画が撮れないものか」なんて言ってたっけ。

  • 東京画 / イメージ / パッセンジャー

    東京画
    1985年 西独
    監督:ヴィム・ヴェンダース
    編集:ヴィム・ヴェンダース ソルヴェイグ・ドマルタン
    キャスト:笠智衆 厚田雄春

    (はじめに断りますがヴェンダース論でも作品論でもありませんので)

    「外が晴天だとなおさら悲哀が募る」
    小津がずっと舞台に選んできた東京の画"イメージ"、小津の"世界を透明にしうるまなざし"を追いかけてやってきた異邦人ヴェンダースの画"イメージ"。1983年の東京は小津作品のそれとは違う「傷ついた風景」だった。

    (さらに…)

  • エンド・オブ・ミリオンダラー

    ヴィム・ヴェンダース監督「エンド・オブ・バイオレンスTHE END OF VIOLENCE」、「ミリオンダラー・ホテルTHE MILLION DALLAR HOTEL」と新しい2作品。「エンド・オブ・バイオレンス」は色、空気感こそ80年代頃までのものと全然違うが登場人物達のひいた(ロングショット的な)関係描写や温度はまさしく自分の好きなヴェンダースのものだった。それに比べると「ミリオンダラーホテル」は全然ヴェンダースじゃない。多分、ボノやメル・ギブソンが関係している分だと思う。見たいのはこういうのじゃない。

    そしてDVD発売になったアキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」ももちろん。不器用で無愛想な静かでちょっとほっとする、そんな感じだった、やっぱり。イーね!「人生は前にしか進まない」よね。後ろに進まれるのは困るのです。いろんなストレスで全然最近動いてなかったけど、ほんの少しだけ生き返ったかも。

  • ヴェンダース/ニコラス・レイ

    ここ最近見た映画をまとめて。

    ヴィム・ヴェンダース監督
    ・「アメリカの友人 DER AMERIKANISCHE FREUND (1977)」
     ダニエル・シュミット、サミュエル・フラー、これを見たときはニコラス・レイも特に知らなかったので「映画史へのめくばせ」ということはよくわからなかったけれど、僕が見ていたヴェンダース映画の中ではもっともスリリングさがあった。僕は映画にそれを求めてはいないけれど、ラストシーンなんかは結構印象的だったな。色の使い方も印象的。デニス・ホッパーが「イージーライダーのバラード」を口ずさむシーンがあるとの情報を先に知っていたので、見ている間も今か今かと思ってた。ヨナタンの妻役のリザ・クロイツァー、ヴェンダース映画によく出てくるけど、結構好きな女優。いつも不幸そうな顔をしている。当時はパートナーだったそうだけど。「ベルリン・天使の詩」のソルヴェイグ・ドマルタンもそう。
    ・「 ニックス・ムーヴィー/水上の稲妻 NICKS MOVIE / LIGHTNING OVER WATER (1980)」
     で、ここでニコラス・レイを知る。当初ニコラス・レイとの共同で映画をつくることで進められていたが、癌の進行でみるみる老衰していくニック(ニコラス・レイ)を見ているうちにヴェンダースは続けていくことの困難にぶつかる。ニックに起るであろう死、それを見つめるヴェンダース、映画の構想、それぞれが複雑に絡み合ってフィクションとドキュメンタリーとの間をどちらにも落ち着かずにずっと行ったり来たりしている。ニコラス・レイからゆっくり出てくる言葉、映画のフィルムのまだ生き生きしている様子とは逆に、手持ちのビデオでとられたニックのあからさまな衰弱。人の死を見つめながらそれを撮っていくことの難しさ、それを作品にするヴェンダースの意義、作家としての姿勢、そんなことを深く考えずにはいられない。ビデオの映像をはさむときのブチッとした編集とそれによってつくられる独特のリズムもこの作品を特別なものにしている。

  • 都会のアリスのポラロイド

    BS2で昨日の深夜『都会のアリス ALICE IN DEN STADTEN(監督:ヴィム・ヴェンダース)』を見た。

    ドイツから派遣されたライターの主人公はポラロイドSX-70でアメリカを、退屈に撮っている。何でも撮っては何度も並べている。文章はいつになっても書けない。『独り言は独りで聞くこと』。アリスと行動するようになってからは殆ど写真を撮らなくなる。少しづつ書き出すが、アリスには「落書き」と思われている。

    ヴェンダース好きなんだけど、前のものとかビデオ借りて見ようとか全然しないので、『都会のアリス』ははじめて。いいね。最近、BS2でよくヴェンダースやってるのでよく見てる。『パリ、テキサス』はもちろん見てたけど。

    なんだか最近映画がわりと気になっている。多分港千尋のせいだろう。