東欧のかわいいデザインたち
チェコ・ハンガリーから届いた暮らしのかたち
ピエ・ブックス
あまりここで「かわいい」とか書かないのですが、これはハンガリー・チェコなので別。ただ「かわいい」だけでない、グラフィック・デザインとして秀逸なもの、気の利いている日用品のパッケージ、民族衣装や伝統工芸の刺繍柄など、アノニマスな魅力あふれるものたちが収められています。チェコ・ハンガリー好きにはおすすめ。デザインのヒント、ネタとしても使えるものが結構あると思います。
チェコはボヘミアンガラスに、ハンガリーはヘレンドの陶磁器にカロチャの刺繍など伝統のある工芸品も多いので、あまり第二次大戦後の「旧共産圏」的な側面にばかり注目してしまうのも嫌ですが、高級品ではない、日用品がどのようなデザインと振る舞いで日常を潤していたかに考えをめぐらせて見ると、もっとこの地域への理解が深まるような気がします。


世界各地から集められた様々なアノニマスな人工物。会場の小石川分館に収蔵されている学術標本(その多くはキャプションによる説明をされていない)と同空間に集められるその多くは、WEBサイトでの呼びかけによって20カ国異郷の国々から届けられた。さらに展示ではセルジオの現代的なアクリルによる作品も加わってきて、その様相はきっとカオティックなものになるのだろう(予想)。
ものがものなので、どれだけその形に興味を持てるかで展示自体の面白さもだいぶ変わって来るように思う。変に作為を持ってセッティングされたもの(網を重ねてアイスクリーム棒を挟んだりしたもの)より、無造作に置かれ、吊られたものの方が展覧会の意図も形態の面白さもわかりやすい=伝わりやすい。スイス製のゴム製ブロアーなど、明らかにアノニマスでないデザインの混入は展示を弱くしている。