タグ: exhibition

  • ジム ランビー@原美術館最終日に駆け込み

    原美術館で本日までの『ジム ランビー:アンノウン プレジャーズ』を見てきた。(全然関係ないが「ジム・ランビー」ではなく、「ジム ランビー(スペースありなし両方)」という表記のようです。)

    ビニールテープによるストライブ曲線のパターンは「オプアート」の流れと言うよりはリキテンスタインのスクリーントーンのようなポップな印象を強く受けた。

    床一面に規則正しくテーピングを施すことで生まれる幾何学的パターンによって空間を大胆に変容させ、

    とのことだが、原美術館の展示空間は決して広くないのと建物自体がアーチのようになっているので、ランビーの曲線の効果がキューブでの場合より弱いのかもしれないと考えたり。今までの他の展覧会をいくつか思い出してみても、室内空間(のイメージ)へ働きかける作品は原美術館では難しいのかもしれない。展示室を回りながら特徴的な建物自体を巡り、連続して作品を見ていく中でテーマや作家とは別の常設作品が間に挟まれることも起因しているかもしれない。

    ジムランビー:アンノウンプレジャーズ
    2008年12月13日 – 2009年5月10日
    原美術館

  • 莫干山路50号

    m50-01-thumb.jpg

    m50-02-thumb.jpgモガンシャンルー 50号と読みます。通称M50。上海大学美術学院のクリエイティブ・センターや工房、アトリエ、そしてコマーシャル・ギャラリーなどが密集したエリア。この中だけでギャラリーは20〜30くらいありそう(蜷川実花の写真展などもやっていた)。古い建物の住宅地をリノベーション?して活用、公開しているので美術好きでなくてもきっと楽しめる。

    (さらに…)

  • Shanghai Biennale 2008 を見る

    shanghaibiennale01.jpg

    2008第七届上海双年展-快城快客
    上海を訪れた理由の一つは上海ビエンナーレを見ること。今年のテーマは "Trans Local Motion" アジアの他の国で大きな美術展を見るのは初めてで、しかも中国の最近の美術熱の高さは周りからもよく聞くのでとても楽しみにしていた。最終日の11月16日にぎりぎりで駆け込む。

    会場は人民広場すぐ横の上海美術館全体。アーティストは中国はもちろんアジアの作家が多い中、ドイツやオランダの作家、トーマス・ルフやマイク・ケリーの名もある。全体のボリュームとしてはヴェネツィアや横浜ほど大きくはないが、日曜で最終日ということもあり、賑わいはそれ以上かもしれない。ディズニーランドのような入場待ちの列に加わるとバブルの頃の西洋美術館などを思い出す。日本でもこんなに美術展で人が集まることがあったのだと。

    (さらに…)

  • アートスポット鳩やスタジオ vol.1

    NPO向島学会の主催による、新しいスタジオプログラム「アートスポット鳩や」。そのvol.1の成果報告展に行ってきました。
    写真や作品完成までの経過は鳩やのブログでご覧いただけます。

    鳩やについてチラシから引用して紹介。

    NPO向島学会では、鳩の街通り商店街・鈴木荘202号室を新たに<アートスポット鳩や>として活動的な若手アーティストを対象にしたスタジオプログラムをはじめることにしました
    鈴木荘は、商店街の空き店舗対策として古い店舗兼アパートを改修し今年の春からスタートした鳩の街通り商店街の事業です
    現在ここに、ショップ、クラフト、アトリエなど公募で集まった5組の入居者と向島学会が商店街の新規メンバーとして活動を行っています

    向島は以前から現代美術製作所をはじめ、地域とアートの関わりの深い街。またその町並みは多くの建築のリサーチの対象にもなっています。
    自分のなかでの向島のイメージというのはだいぶ前にブログに書いたティトゥス・スプリーのレクチャーと「季節の生ジュース カド」に作られているけど、今度ゆっくりとカメラを持って歩いてみたいと思った。

    そんななか、決して広くはない鈴木荘の2階の小林作品はその密度とそれぞれの椅子の持つストーリーとの絡みが印象的でした。

    nest-hole.jpg
    作家の小林史子は次は11/14から府中のLOOP HOLEというスペースで "Nest-Hole" という展覧会を行います。
    また違う空間で違う作品になるようです。

    Nest-Hole
    小林史子
    2008.11.14 – 12.27
    LOOP HOLE

  • INO ARTISTS VILLAGE オープンスタジオ2008

    ino-openstudio.png

    INO ARTISTS VILLAGE – INO ARTISTS VILLAGE OPEN STUDIO 2008
    東京藝術大学と取手市が連携し、UR都市機構の協力により、取手市井野団地内のショッピングセンター一棟(7戸)を改修し、若いアーティストのためのスタジオとして運営されている、「井野アーティストヴィレッジ」が取手アートプロジェクト2008の会期に合わせて、オープンスタジオとして一般公開されるそうです。

    学校を卒業したアーティストにとって、制作の場となるスタジオ、アトリエ(+機材その他)というのは作品自体のサイズを制限しかねない重要かつ深刻な問題ですが、東京芸大のある取手市が現役の学生だけでなく、その卒業生にもこういう場を提供して、アートと取手という場を結びつけようとしているのは、地域と作家の関係性にとって大変重要なことです。もちろん取手アートプロジェクトもしかり。

    興味のある人は是非。

    INO ARTISTS VILLAGE – INO ARTISTS VILLAGE OPEN STUDIO 2008
    2008年11月1日(土)~16(日)
    金・土・日・祝日公開 10:00~18:00
    取手井野団地内ショッピングセンター(井野アーティストヴィレッジ)

    同時開催;取手アートプロジェクト2008
    2008年11月1日(土)~16(日)

  • 桐生再演、14年目

    kiryusaien.jpg

    桐生再演 Kiryu Saien 14

    群馬県桐生市という場所で地域と関わり合いながら展覧会、プロジェクトを行ってきた「桐生再演」が14年目を迎えています。

    数年来の往き来を経て、或いは初めてこの地を訪れ出会い、それぞれの形で自らを投じ活動を進める中で、作品制作や美術という枠の言語だけでは解ききれない命題に、それぞれが対面します。それらを見過ごさず、私たち自身の思考/行動を深めることで、自ずと作品や行為は変容を遂げてゆきます。

    地域を一つの基盤に据えたアートプロジェクトというのは、それこそたくさん存在し、そして殆どが数年、数回のうちに終わっていく中で、毎年そして14年間と続いているプロジェクトというのはそう多くはありません。
    「地域との美術を通して関わる」というのは思うよりもずっと難しく、地域住民との信頼関係を築くまでには多くの時間を必要とします。

    桐生でしか作り得ないそんな展覧会、そしてまだまだ続くプロジェクトの断片がきっと感じられるのではないかと思います。

    桐生再演 Kiryu Saien 14
    10/4(土)〜11/3(月・祝)
    公開日 土・日・祝
    11:00-17:00
    詳しくはWebサイトを参照

  • silent dialog 見えないコミュニケーション@ICC

    silent dialog サイレント・ダイアローグ 見えないコミュニケーション

    ICC ONLINE | サイレント・ダイアローグ──見えないコミュニケーション

    わたしたちを取り囲む自然や環境はつねに変化しています.環境の変化とともに,そこに生息する生物のふるまいに注意を向けることは,同様にそこで生きるわたしたちにもたらされる何らかの作用や,ひいては,わたしたちと生態系全体との関係性を見いだすことにつながります.その意味で,わたしたちは,環境から絶えず何らかのメッセージを受け取っているのだ,と言うこともできるでしょう.

    > はじめに サイレント・ダイアローグ──見えないコミュニケーション

    鳥や植物、キノコといった自然環境からのメッセージ、アクションを先端の技術とメディアにより可視化、可聴化していく試みを集めている。

    試みはどれも面白いのだけれど、実際のところそれが「視てわかる」「聴いてわかる」かというと、正直わかるものは少なかった。印象に残っているのは環境から切り離された「観葉植物」的な植物と大仰な装置と多くのモニターに映し出される確かに動いているらしいグラフばかり。

    • 生き物がいる – 触る – インタラクション

    ここの間の「目の前の生き物のここにどう触ったから…」というようなものが足りない。センサーはただのトリガーなのか、データを渡しているのか。そこがもっと「見えて」きて欲しかったと思う。見えないコミュニケーションはやっぱり見えなかった。

    作品として面白かったのはマイケル・プライムの《ハ、ハ!ユア・マッシュルームズ・ハブ・ゴーン?》暴力的な音と椎茸のアンバランスが面白いのと、実際に傷んでいる椎茸に展示空間中の人間以外の静物の中で一番「生」を感じた。

    サイレント・ダイアローグ──見えないコミュニケーション
    会期:2007年11月23日(金・祝)—2008年2月17日(日)
    会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA

  • カタログ "Rachel Whiteread: Transient Spaces"

    Rachel Whiteread: Transient Spaces“Rachel Whiteread: Transient Spaces”
    Deutsche Guggenheim Berlin
    Oct. 20, 2001-Jan. 2002

    2001年から2002年にかけてドイツのグッゲンハイム美術館で行なわれたレイチェル・ホワイトリードの展覧会のカタログ。現在渋谷のLOGOSで開催中の洋書バザールでの戦利品。普段の価格が 8,220円のところ、約半額の 4,200円。これはいいものを見つけたと思ったらAmazonのマーケットプレイスで新品がほぼ同価格でいくつか…

    さて内容だが、作品が作品(石膏を使った巨大な彫刻というか、建造物とも言えるインスタレーション)なので一つの作品の制作過程の記録がほとんどで、その分これまでの作品に対しての論述やそれまでの美術史中の作品との面白い比較がいくつもなされている。気になる比較の対象としてはヨーゼフ・ボイスの “Fat Chair”, ルイーズ・ブルジョワの “Cell”, マイケル・ハイザーの “Double Negative” といった辺り。カタログは幸いドイツ語ではなく、英語で書かれているのでもう少しじっくり読んでいきたい。
    また “Photo Essay” としてレイチェル・ホワイトリードの手によるスナップ写真群も収められている。その何気ないカットにもレイチェルの作品に通じる皮膚感覚だったり、アングルのスケール感といったものを見ることが出来る。

    私の仕事は、凹のスペースから構成された物体を作ることです。備品は作品を発展させるための基礎として使います。私が作る物体は墓のようなもの。何かが幽閉されている状態で、何かがなかにあることはわかっていてもそれが何だか見えないようなもの。

    美術家の言葉レイチェル・ホワイトリード

    という作品、制作の裏側を見ることが出来るというのは大変面白い。

  • 「ヘンリー ダーガー」展@原美術館

    Henry-Darger

    「ヘンリー ダーガー 少女たちの戦いの物語 ー夢の楽園」 Hara Museum Web

    2002年から2003年にかけてのワタリウム美術館での展覧会以来の大きな回顧展となる。

    そのワタリウムの時に見ていなかったので、今回の原美術館で初めてダーガーの絵の実物を見たのだけれど、最初の印象としては「こんなに大きいんだ」というものだった。美術の雑誌や本などでダーガーの絵自体はずっと見ていたのだが、いつもそのサイズはせいぜいA4の見開きくらいまでなので、意外に大きいその少女たちと作品のスケール感がダーガーの身体感覚として新鮮な驚きを得られるものだった。

    (さらに…)

  • ヤン・ライヒ 写真展ボヘミア

    janreich-bohemia.jpg

    ヤン・ライヒ 写真展ボヘミア
    Jan Reich Bohemia
    2007.03.19 – 06.01
    東京都渋谷区広尾2-16-14
    チェコ共和国大使館内 チェコセンター

    上のDMの写真はそうでもないけれど、展示されている写真の多くで暗部の豊かな階調がとても印象的だった。一見黒く潰れているようでいながら、よく見ると狭い幅ながら情報量は多い。この暗部の表現はJPEG圧縮+モニタの解像度ではとても再現できないもの。日本のメジャーで人気のある写真はカラーで若干オーバーめの明るいものが多くなってきている気がするので、このモノクロの暗さというのはそこに写っているボヘミアの人気のない静かな森の光景や忘れられた石像といったモチーフとあいまってとてもクラシックながら、かえって新鮮に感じた。