タグ、タギングは急激にフォークソノミーのものとなってしまったけれど、少し前までは確かにヒップホップのものだった。イーストコーストvsウェストコーストなんて陳腐なビーフも落ち着き、いいものには東も西もないことにやっとみんなが気付き始めた頃、日本の MARY JOY レコーディングはアンダーグラウンドのアーティスト達の音を「タグ」としてリリースしていた。「アンダーグラウンド」もまだポーズではなかった。21世紀も現実のものになってきた1999年のこのコンピレーション、今でも自分の中では圧倒的な密度の息苦しいほどの存在感を放っている。
俺の潜在機能用途は表面化せず、恐らく雑魚の中に紛れて動くのか、結末の定められたベテラン、軽快で敏感なネクサスだ、俺の3人チームが時間を止める為に戦う。自分の細胞は最高でもお前の家系の肉に過ぎない、人の創造した物と人の存在の融合体が分解する、しかし何故俺は計画を知らされなかったのか、これ以上耐えられるか!
"Bladerunners(Company Flow mix)" El-Pのヴァースより(訳:訳島さん)
自分の中のブレードランナーはフィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」→リドリー・スコット「ブレードランナー」→MIKE LADD feat. COMPANY FLOW "Bladerunners(Company Flow mix)"で完結する。
俺はオリオン座の浜辺で奴隷船が飛ぶのを見たんだ、火を吹きながら、、、
この頃のヒップホップが抱えていたのは難解で陰気な長ったらしいリリックだけでない。
This ain’t the last or the best you’ll ever hear from me continuously proceed to turn it up a degree that same ABMC melody you always love feels so good you can’t get enough
"Narcotic" APANI B-FLY EMCEE
これは私から来る最後のものでも最高のものでもない。
タグ付けによるフォークソノミーは「階層的に組織する従来の分類」から情報を解放するという。1999年にタギングされたこのアルバムもまた、自分の中で時間軸の階層に埋もれることはない。
これは私から来る最後のものでも最高のものでもない。
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