カテゴリー: movies

  • エンド・オブ・ミリオンダラー

    ヴィム・ヴェンダース監督「エンド・オブ・バイオレンスTHE END OF VIOLENCE」、「ミリオンダラー・ホテルTHE MILLION DALLAR HOTEL」と新しい2作品。「エンド・オブ・バイオレンス」は色、空気感こそ80年代頃までのものと全然違うが登場人物達のひいた(ロングショット的な)関係描写や温度はまさしく自分の好きなヴェンダースのものだった。それに比べると「ミリオンダラーホテル」は全然ヴェンダースじゃない。多分、ボノやメル・ギブソンが関係している分だと思う。見たいのはこういうのじゃない。

    そしてDVD発売になったアキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」ももちろん。不器用で無愛想な静かでちょっとほっとする、そんな感じだった、やっぱり。イーね!「人生は前にしか進まない」よね。後ろに進まれるのは困るのです。いろんなストレスで全然最近動いてなかったけど、ほんの少しだけ生き返ったかも。

  • マッティ・ペロンパーのことを思う

    カウリスマキ作品を発表順にずっと見てきて、マッティ・ペロンパーの良さにあらためて気づく。好きなのは「パラダイスの夕暮れ」、「ラヴィ・ド・ボエーム」、「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」、もちろんジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」。レニングラード...なんてちょっと前までは全然バカにしててくだらない映画だろうと思ってたけど、見てみたら結構普通にいい映画だった。くだらないのは予想通りだったけどね。「...モーゼに会う」の方は、全然面白くなかったけど。で、さっきまた「浮き雲」を見ていたのだけれど、「浮き雲」は「マッティ・ペロンパーに捧ぐ」となっているのね。最初見たときは特に意識もしていなかったから気がつかなかったけど、亡くなっていたのですね。合掌。カウリスマキ作品にはなくてはならない名優に。「過去の無い男」のカンヌグランプリ受賞、ヒットでカウリスマキがまた見直されている(僕みたいにね)のをマッティ・ペロンパーも喜んでいることでしょう。

  • カウリスマキにはまる

    トータル カウリスマキ DVD-BOX
    と、最近よく働いている分の給料もまだもらっていない厳しい財布事情の中、カードで買っちゃいました、『トータル カウリスマキ DVD-BOX』。たまに話題に出ながらレンタルとかでも探しにくいカウリスマキ監督の16作品DVDセット!まだ見てないです。カウリスマキ監督作品は横目でチラッと気にしながらも、『浮き雲』を見るまで未体験、そしてこの間最新作の『過去のない男』を見ただけのビギナーですが、これをじっくり見ればいろいろえらそうに語れるかも。BOXセットってやっぱりなんだかうれしい。それに全部バラで揃えるよりかなり割安だし。カウリスマキとかヴェンダースって”Amazon.co.jp“を使っても手に入らないものとか多いからね。

  • 過去のない男、ヘルシンキ

    過去のない男 mies vailla menneisyytta

    アキ・カウリスマキ監督『過去のない男 mies vailla menneisyytta』。にやっとできるし、なんかちょっとだけいい気分になって映画館を出た。イルマ役の女優カティ・オウティネンの無表情振りがすごい。全てがわざとらしいハリウッド俳優達とは正反対のものだ。『浮雲』の、苦しい状況の中でも強くわずかな希望を捨てないで頑張っている姿とはまた違う。どっちも表情がほとんど変わらないのは一緒だけど。ただ、カティ・オウティネンとしては『浮雲』のほうが好き。カンヌでの受賞も今回の分だけでなく、前から続く彼女の功績に対しての意味も多分に含まれているのだろう。そして、主演の過去のない男マルック・ペルトラ。いい俳優だね。『浮雲』にも出てたんだ。そして忘れてならないのが、ハンニバル。猛犬ぶりがかわいかった。

    (さらに…)

  • 2回目のマルホランド・ドライブ

    マルホランド・ドライブMULHOLLAND DRIVE

    マルホランド・ドライブMULHOLLAND DRIVE』2度目。前見たときはほんとに全然わけわからなかったけど今回はちょっと気にしながら見た。でも、やっぱりわけわからないが、意味ありげなポイントはいくつも挙げられるようにはなってきた。でも、細かいところを神経質に作ってるかと思えば、CGがダサいところとかチャチいところ(例の玉手箱のシーン、チカチカするマルホランドドライブの表示、小さい老人二人...)で、猛烈にひくので、やっぱり好きな映画じゃないな。でも、2回見てんだからやっぱり術中にはまってるのか?劇場のシーンあたりは結構好きだな。でもあちこちやっぱり気持ち悪い。多分もう一回くらい見てしまう気が...

  • ヴェンダース/ニコラス・レイ

    ここ最近見た映画をまとめて。

    ヴィム・ヴェンダース監督
    ・「アメリカの友人 DER AMERIKANISCHE FREUND (1977)」
     ダニエル・シュミット、サミュエル・フラー、これを見たときはニコラス・レイも特に知らなかったので「映画史へのめくばせ」ということはよくわからなかったけれど、僕が見ていたヴェンダース映画の中ではもっともスリリングさがあった。僕は映画にそれを求めてはいないけれど、ラストシーンなんかは結構印象的だったな。色の使い方も印象的。デニス・ホッパーが「イージーライダーのバラード」を口ずさむシーンがあるとの情報を先に知っていたので、見ている間も今か今かと思ってた。ヨナタンの妻役のリザ・クロイツァー、ヴェンダース映画によく出てくるけど、結構好きな女優。いつも不幸そうな顔をしている。当時はパートナーだったそうだけど。「ベルリン・天使の詩」のソルヴェイグ・ドマルタンもそう。
    ・「 ニックス・ムーヴィー/水上の稲妻 NICKS MOVIE / LIGHTNING OVER WATER (1980)」
     で、ここでニコラス・レイを知る。当初ニコラス・レイとの共同で映画をつくることで進められていたが、癌の進行でみるみる老衰していくニック(ニコラス・レイ)を見ているうちにヴェンダースは続けていくことの困難にぶつかる。ニックに起るであろう死、それを見つめるヴェンダース、映画の構想、それぞれが複雑に絡み合ってフィクションとドキュメンタリーとの間をどちらにも落ち着かずにずっと行ったり来たりしている。ニコラス・レイからゆっくり出てくる言葉、映画のフィルムのまだ生き生きしている様子とは逆に、手持ちのビデオでとられたニックのあからさまな衰弱。人の死を見つめながらそれを撮っていくことの難しさ、それを作品にするヴェンダースの意義、作家としての姿勢、そんなことを深く考えずにはいられない。ビデオの映像をはさむときのブチッとした編集とそれによってつくられる独特のリズムもこの作品を特別なものにしている。

  • イーね!浮雲!

    浮き雲 Drifting Clouds

    アキ・カウリスマキ監督
    ・「浮き雲 Drifting Clouds (1996)」
    全然期待してなかったけど、面白かった。アキ・カウリスマキ監督って「レニングラード・カウボーイズ」のイメージでひとつも作品を見たことないのに、なんか寒いイメージを勝手に持ってた。今、恵比寿ガーデンシネマでやっている「過去のない男」でクレイジーケンバンドが使われていることからその偏見を解こうかなと思ってたところに、たまたまこの「浮雲」がやっていたので見たんだけど、イーね!曲がいい、俳優の顔がみんないい、話しがいい。どうってことないと思う人もいるかもしれないけど、自分的にぴったり。他の作品ではもっと希望がない感じで終わるものが多いらしいけれど、これは最後の最後でほっとできる。それで流れてくる音楽が全部いいタイミングでいい曲ばかり。ひとつも知らない曲ばかりだし、なんてジャンルかもわからないけれど、いい。久しぶりに笑いながら見れた映画。「過去のない男」ももちろん込んでないときみはからって見に行く。

  • 実は初トリュフォー

    大人は判ってくれない LES QUATRE CENTS COUPS 柔らかい肌 LA PEAU DOUCE

    フランソワ・トリュフォー監督

    トリュフォーはみんなあちこちで言ってるし、短いものも多いから特に言うことはないけれど、実は今回まとめて見たこれらが自分の初トリュフォー。前からもちろん知ってたけど、もともとそんなに映画好きでもなかったし、なんか甘ったるそうな、いかにもフランスな名前が好きじゃなかった。これも偏見。

    「柔らかい肌」はとても見ていて怖かった。こういうのわかるけどわかってない感じというか、他人事じゃない怖さというか。女の人冷める時ってあっさりしてるんだよね、ほんと。みんなじゃないと思うけど。「大人は判ってくれない」、「二十歳の恋」の少年もいい顔してる。

  • ソンタグとムーアの『ゆきゆきて、神軍』

    ゆきゆきて、神軍

    原一男監督
    ・「ゆきゆきて、神軍 (1987)」
    これは前にも書いてたんだけど、スーザン・ソンタグとマイケル・ムーアがふれていたので無視できないくらい興味を持ってしまって購入。奥崎謙三!こういう人って本当にいるのだ。もちろん日本だけじゃない。アメリカのトップにもでかい面して居座って人を殺すのをなんとも思わない奴がいる。どこかからだも頭も構造が違うとしか思えない。奥崎謙三の全く出所のわからない自信と行動力は反吐が出るほどすごいものだ。そしてその強さで忘れてしまうけど、これをずっと撮り続けた原一男監督もまた並大抵の人ではない。

  • ウェルカム・トゥ・マルホランド

    『マルホランドドライブ(監督:デヴィッド・リンチ)』、『ウェルカム・トゥ・サラエボ(監督:マイケル・ウィンターボトム』を見た。ちょっとつくりが雑な気がする。『マルホランドドライブ』は結構面白いと思うところもあるのだけれど、伏線を張った謎解きなのか、ただの監督の自己満足なのか、本当にその辺が雑なのか、自分の好みじゃないだけなのかよくわからないけれど、後味の悪さと同じくらい、まだ興味を持たせられているところがある。多分もう何回か見るだろう。