神蔵美子さんの新しい写真集『たまもの』を購入、ずっと見入る。
ニューオーリンズの路面電車で出会ったスイス在住の易者に「あなたは二人のひとを同時に愛せる人」と予言された神蔵さんはそんな事ができるわけが無いとそのとき思うわけだが、後に坪内祐三と末井昭という二人の男性と結婚し、激しく愛する事になる。
十数年に及ぶ3人の関係が日記からの抜粋とともに直截な写真の力を持って痛々しいくらいに見るものへ伝わってくる。普通では考えられない小説のような関係が嘘のつけないリアリティで迫ってくる。
何故そこまで人を愛せるのか、愛さないといけないのか、うらやましいような、目を背けたいような、そんな写真集だ。神蔵さんの写真表現はカメラジャーナル紙で連載中の『たまきはる』でもそうだが、純粋なヴィジュアルとしての写真とはまったく違うもっとプライベートで生への色々なものが隠される事無く全て出てきている。それは多くの人にとって愉快に受取られるものではないだろう。しかしそこにはやはり写真でしか表現できない何かがなまなましく存在する事は確かだ。
今、少しだけセンチメンタルでネガティブになっている僕にはまっすぐに届いてきた。まだ大丈夫だ、そう思う。
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