THE EXPERIENCE OF ART
火曜日、今度はメイン会場のGiardani公園へ。ここでは上のタイトルの展覧会と各国のパビリオンの展示が行われている。国際展としての「ビエンナーレ」らしいのはやはりこちらか。前回もそうだけれど、GiardaniとArsenalは場所もあるだろうけれど、全体の構成の方向付けが明らかに違う。大ざっぱに言えば、巨匠やペインティングが多く秩序立った前者と、第三世界や若手が多く混沌とした後者。それはホワイトキューブと、倉庫という空間の違いに拠るところも大きいと思う。
Jenny Holzer
というわけで、もう説明のいらないジェニー・ホルツァー。彼女の作品はそれこそあちこちでよく見てきているけれど、初めてきれいだと思った。
Francesco Vezzoli
ベネチオ・デルトロ、ミラ・ジョヴォヴィッチといったハリウッドスターを贅沢に登場させ、昔のスペクタクル映画のリメイクの予告編(パロディ?)のような映像作品のフランチェスコ・ヴェッゾーリ。執拗に連呼される「カリギュラ!」。贅沢に有名なスターを使っているのがもちろん作品の面白さの大事な点だけれど、それを素直に認めてしまっていいのかな?という気も個人的にはする。一番コストのかかっている作品かも知れない。
Candice Breitz
南ア出身のキャンディス・ブライツは好きな作家の一人。日本でも2002年の「現代美術への視点 連続と侵犯(東京国立近代美術館)」でも紹介されている。
「クレイマー・クレイマー」などの映画から前後の脈絡、背景から切り離されたメリル・ストロープ、フェイ・ダナウェー、ダイアン・キートン、ジュリア・ロバーツ。反対側ではダスティン・ホフマンにハーヴェイ・カイテルにドナルド・サザーランド。それぞれはセリフを解体され、ただ滑稽なやりとりを繰り返すために再構成させるためだけにいる。そのサンプリングの面白さは上のフランチェスコ・ヴェッゾーリとは正反対のものだ。同じハリウッドスターを登場させるこの二人の作品の違いを考えるだけでも十分に面白い。
ちなみに02年の「連続と侵犯」の時にはカレン・カーペンター、アニー・レノックス、ホイットニー・ヒューストンをそれぞれ二人ずつ向き合わせて「YOU」、「I」だけ切り出してループさせていた。こちらもとても印象に残っている。
Bernard Frize
今回のペインティングの中で一番良かったのはフランスの彼の作品。ブラシストロークと、「混ざる」「重なる」「触れる」といった絵の具の性質をうまく使い、光を感じるオーソドックスな平面な作品。こういう場で期待しがちな「真新しさ」は全くないといっていいけれど、久しぶりに「絵」としてきれいな作品を見た気がした。会場の白い空間にとてもマッチしていた。
そんな流れに少し辟易している中、このシンプルな作品はとても印象的。白い砂を金属の櫛がゆっくりと回転しながらレコードのような溝を刻み続けていく。Zen Gardenのような静けさとマスマティカルな造形の美しさ。
嫌悪感を抱く人も多そうだが、自分的にはかなりハマったBlue Nosesのビデオ作品。はっきり言ってどれもふざけすぎなのだけれど、ステレオタイプなフェミニズムの作品に対しての強烈なアンチになっていて、そのシニカルさは痛快なほど。短いループの映像に早回しの高いキャッキャッという音声。
パンツを履いたままのSEXの真似事… 最初裸の女性が逃げてきて、何かと思うと次に今度裸の男性が追いかけてるかと思えばやっぱり何かから逃げていて、最後出てくるのは海で使うようなビニール製の空気で膨らますワニ… ピンに見立てた女性3人を自分が転がって倒すボーリング…
会場を入ってすぐ、Guerrilla Girlsの寒ーいポスター群に迎えられて今回のビエンナーレがとても不安になるが、その部屋の中央にあるこの巨大な
インドの作家。ステンレスの冷たい光沢がなんとも美しいインスタレーション。いくつものキャビネットに収められた鍋、パン、キッチンツール。女性の作品かと思ったらどうやら男性らしい。料理、キッチンというモチーフだけに、美しさの裏の強迫観念的なものが際立っている。
この写真、僕が水平をとれていないわけではない。Jewish Museumをずーっと見てきた最後の方にある"Garden of Exile"という中庭。



ベルリン中の美術館、ギャラリー間を横断する面白い企画"
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