いきなり「フルクサス」や「FLUXUS」だの言ってもあれなので、ちょっと簡単にですが「フルクサス=FLUXUS」の予備知識をまとめてみます。
フルクサスって?
- FLUXUS
- 浄化、連続運動、流れる水、溶解、腸の洗浄…
デザイナーで建築家でもあったジョージ・マチューナスが、「フルクサス的」と認めたアーティストを組織したグループ。とは言っても、グループの性格は作家を束縛するような○○主義あるいは一定の方法論を根底に持つものではないので、緩い共同体の中で、作家同士や作家とオーディエンス、批評家やコレクターなども巻き込んだ作品を展開していた。
音楽出身の作家やジョン・ケージのクラス出身が多いこともあり、パフォーマンスが重要視され、それらは「イベント」や「ギャグ」と呼ばれることも多い。作品のいくつかは先に挙げたYoutubeで今すぐにでも見ることが出来る。
実験音楽・サウンドアートというページではフルクサス関連音源のガイドも。
また正確にはメンバーではないけれど、フルクサス自体に影響の大きいジョン・ケージの代表作「4分33秒」も参考に。(残念ながら当時のものではない)
ビデオ見るのが一番早いです。
メンバー構成も流動的でいろんな人が出たり入ったりしているが、中心のジョージ・マチューナスの他に主だったところを挙げると、ナム・ジュン・パイク、靉嘔、グループ音楽組(塩見允枝子、小杉武久、刀根康尚)、オノ・ヨーコ、ジョン・ケージクラス出身組(ジョージ・ブレクト、ディック・ヒギンズ、一柳彗、アラン・カプロー)、ハイレッドセンター(高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之)、ヨーゼフ・ボイス他たくさん。メンバーとの繋がりからジョン・ケージやジョナス・メカスとも関わりが深い。
ナム・ジュン・パイクにマチューナスはマルクス主義だから駄目だったのであって、
と言われるように、コミュニティへの意思を強く持ち、また既成の芸術や概念に攻撃的なくらい反発を示すマチューナスを、好意的に感じないメンバーも少なくなかったようだ。
フルクサス12の基準(ケン・フリードマンによる / 室井尚の引用から)
- グローバリズム
- アートと生活の統一
- インターメディア
- 実験主義
- 偶然性
- 遊戯性
- 単純さ
- 含蓄
- 例証主義
- 特殊性
- 時間的現前
- 音楽性
フルクサスの特徴(塩見允枝子による)
- 多国籍の集団であること。
- グループの境界が曖昧であること。
- 美術、音楽、詩、舞踊など様々な分野から出た作家がいる。
- 実際には一つのまとまった主義主張による芸術運動ではなかった。
- パフォーマンスに重点が置かれていた。
- 日常のなかでの芸術的体験によって、生活そのものを豊かにしようとした。
- 既成のジャンルにはまらず、いくつかのジャンルの要素を併せ持つ作品が多い。
- 表現主義・自己表現を嫌い、シンプルかつ客観的であろうとした。
- あやゆる可能性を示唆した上で、限定することを避け、受け取り手の判断に委ねることが多い。
- 観客参加、共同制作など、作家と一般の人々との壁を取り払う試みがある。
- ゲーム性、ジョーク、ユーモアを重んじた。
- こうした一般論に対しては、メンバーの何人かが、「いや、それは当てはまらない場合もある。」と即座に異論を唱えるだろう。
最後の項目がフルクサスのグループとしての緩さと自由さをよく表している。
「フルクサス」は1978年のマチューナスの死をもって終わったとされることも多いが、当時のメンバーなどによって「フルクサス」として今でも新しい作品が発表されている。
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