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  • Shanghai Biennale 2008 を見る

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    2008第七届上海双年展-快城快客
    上海を訪れた理由の一つは上海ビエンナーレを見ること。今年のテーマは "Trans Local Motion" アジアの他の国で大きな美術展を見るのは初めてで、しかも中国の最近の美術熱の高さは周りからもよく聞くのでとても楽しみにしていた。最終日の11月16日にぎりぎりで駆け込む。

    会場は人民広場すぐ横の上海美術館全体。アーティストは中国はもちろんアジアの作家が多い中、ドイツやオランダの作家、トーマス・ルフやマイク・ケリーの名もある。全体のボリュームとしてはヴェネツィアや横浜ほど大きくはないが、日曜で最終日ということもあり、賑わいはそれ以上かもしれない。ディズニーランドのような入場待ちの列に加わるとバブルの頃の西洋美術館などを思い出す。日本でもこんなに美術展で人が集まることがあったのだと。

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  • 蓮の2000年

    Lotus

    先日の雨の三渓園。園内の池では蓮の花が咲き誇っていた。傘で視界を遮ってしまうのはもったいないくらい。

    flower at biennale何故かこの花を見て思い出したのは、何度も通った上野の不忍池の蓮ではなく、昨年のベネツィア・ビエンナーレの韓国館での Choi Jeong-Hwa の作品だった。

    ある作品を見て現実をイメージするのではなく、現実を見てある作品を思い浮かべる。それは逆なのか、正しいのかなんだかわからなくなってしまったが、生の花を見てビニールの花を思い出したのに気付くと不思議な体験のような気がする。

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  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ まとめ

    というわけでゆっくりと駆け足で紹介してきた今回のヴェネツィア・ビエンナーレ。それぞれの感想やセレクトはもちろん僕個人の好みや興味に拠るものですし、最初にことわった通り、それぞれの作品の権利は当然その作家にあります。ということを確認した上で全体の感想を。

    正直な感想としてはまず「前回より金かかってなさそう」。もちろん、金かければいいわけではないし、作家の制作費やアーティストフィー以外の部分で無駄にお金が使われたりしてきたりという事実もあったりするようだし、今までの金のかけ方がどうかもわからないけど、会場構成があまり遊んでない印象。前回のArsenalは会場自体を床を上げたりしながら立体的に構成していた。映像の見せ方一つとってもあまり工夫が感じられなかった。

    そして「ちょっとふざけ過ぎ、もしくは寒い…」。アートスケープで村田真氏も

    いつになくタワケた作品が多いなあ、というのが今年のヴェネツィア・ビエンナーレの第一印象だ。タワケた作品とは、ウケをねらったり笑いをとろうとする作品のことであり、永続的な感動より、センセーショナルな刺激や一瞬の快楽に賭ける態度のことだ。

    ヴェネツィア・ビエンナーレ2005 レポート 村田真

    と冒頭で挙げているのだが、これには同感。もちろんそれで面白い作品もあるだろうし、その境界には好みなどもあるけれど、全体にそういう雰囲気を感じてしまうのはどうだろう。ばかばかしさがかえって話題のドイツ館なんかは真面目(!)な自分にはとても受け入れられるものではない。

    さて、それではもうヴェネツィア・ビエンナーレには行く必要がないのか?というと…

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  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 6

    冷房の効いてるパビリオンもあるものの、やっぱり暑いので会場内の特設カフェでビールを飲んだりしながら、無理をしないでゆっくり各国を巡る。

    イスラエル館

    Israel-P1前回のベスト作品の一つはここイスラエルのものだった。今回はまるで違う飄々とした作品だけどこれも面白い。Guy Ben-Nerによる"Treehouse Kit"という立体と種明かし的な映像での作品だが、先に見せられた木の彫刻は実は組立家具をバラシてつくられた、ただそれだけのもの。主人公が真剣な顔つきで木をバラシて、組立家具を組み立てていく様子がなんともおかしい。最後にはちょっとしたオチまで。

    セルビア・モンテネグロ館

    Serbiamonte-Pこの二人の映像、一見静止画だと思っていると、まばたきをし、それぞれの呼吸のわずかな震えのように触れそうで触れない距離をずっと保っている。何が始まるわけでもない、そのもどかしい感覚がかえってリアリティを感じてとても印象に残っている。

    ブラジル館

    Brazil-P張られた水の上に上から吊られたスピーカー。そして流れる音とのサウンドインスタレーション。なんというか単純にかっこよかった。

    オーストリア館

    Austria-P1Austria-P2今回の各国のパビリオンの中で建物へ一番「絡み」というか「責め」ていたのはこのオーストリア館。もともとがどうだったか覚えてないが、建物全体を包み込んで新しい外観に変えてしまっている。強引なくらいの構造を組まれた内部は自由に歩いたり、上ったりできるようになっていて、上方へ行くと隠されたパビリオンのもともとの屋根が見えたり、自分で窓を開けて、外を眺めたりできるようになっている。アーティストはHans Schabus。やっぱり会場や建物と積極的に関係を持っているものは面白いなと再確認。ただ中はとても蒸し暑い…

  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 5

    今度はGialdani公園内の各国のパビリオン。参加国のパビリオンは他にもいくつか市内にあるのだけれど、よほどベニスに詳しい人でないと、全部回るのは不可能。ビエンナーレのパンフ、カタログの不親切なマップではまず無理。前回は頑張ってほぼ回ったが、今回は時間に余裕がないこともあり、Giardaniしか見ていない。

    ベルギー館

    Belgium-P1タイトルは"The Quest"でアーティストは…読めないし、入力できない…
    いろんなaspect(面、角度)からの探求のためのstruggle(もがく、あがく)の様相をそのままに、まとまりのない非常にゴチャゴチャした館全体でのインスタレーション。その「何でもあり」さが魅力的なのだが、これは好みが分かれるところかも。ひとつひとつが別に「何のため」の装置であるかは全くもって不明。それを許せるかどうかが分かれ目。個人的には非常に面白いと思う。

    Belgium-P2ベルギービール好きには並べられただけのDuvel瓶の不安定な床の上を歩くのがとても気持ちいい。

    韓国館

    Korea-P1Korea-P2「洗練」とは全然対極のフレッシュな「勢い」を各作家にも館全体にも感じたのが今回の韓国館。しかしそれぞれはバラバラのようでいてお互いの作品や建物自体と密に関係性を築いている。複数のアーティストによるパビリオン自体の一体感、完成度では一番だったように思う。コミッショナーはキム・スンジュン。パチンコ玉の箱のようなプラスティック製のメッシュの赤い箱での館を増築したかのようなインスタレーション、一旦外に出ての膨らんだり萎んだリを繰り返す「ドラゴンフラワー」、室内のグラフティのような壁に直描きのドローイングなど。

    ハンガリー館

    Hungary-P1Hungary-P2なんとも不気味な「ひとがた」を並べてのインスタレーションはBalays kicsinyでタイトルは"An Experiment in Navigation"。シュールで異様なフィギュアが並ぶ空間がなんとも静かに感じられる。そのせいか中庭の四角く切り取られた青空の「ぬけ」がなんとも開放感があって気持ちいい。

    カナダ館

    溺れている映像の前へ実際に流れ落ちる滝からのマイナスイオン(?)がとても涼しくて長居したい感じ。正直な話し、真夏のベニスでは「涼しい」というだけで十分ポイントが高い。前回のアイスランド館、ルクセンブルク館なんかもそう。

  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 4

    THE EXPERIENCE OF ART
    火曜日、今度はメイン会場のGiardani公園へ。ここでは上のタイトルの展覧会と各国のパビリオンの展示が行われている。国際展としての「ビエンナーレ」らしいのはやはりこちらか。前回もそうだけれど、GiardaniとArsenalは場所もあるだろうけれど、全体の構成の方向付けが明らかに違う。大ざっぱに言えば、巨匠やペインティングが多く秩序立った前者と、第三世界や若手が多く混沌とした後者。それはホワイトキューブと、倉庫という空間の違いに拠るところも大きいと思う。

    Jenny Holzer

    Jenny Holzerというわけで、もう説明のいらないジェニー・ホルツァー。彼女の作品はそれこそあちこちでよく見てきているけれど、初めてきれいだと思った。

    Francesco Vezzoli

    ベネチオ・デルトロ、ミラ・ジョヴォヴィッチといったハリウッドスターを贅沢に登場させ、昔のスペクタクル映画のリメイクの予告編(パロディ?)のような映像作品のフランチェスコ・ヴェッゾーリ。執拗に連呼される「カリギュラ!」。贅沢に有名なスターを使っているのがもちろん作品の面白さの大事な点だけれど、それを素直に認めてしまっていいのかな?という気も個人的にはする。一番コストのかかっている作品かも知れない。

    Candice Breitz

    Candice Breitz南ア出身のキャンディス・ブライツは好きな作家の一人。日本でも2002年の「現代美術への視点 連続と侵犯(東京国立近代美術館)」でも紹介されている。
    「クレイマー・クレイマー」などの映画から前後の脈絡、背景から切り離されたメリル・ストロープ、フェイ・ダナウェー、ダイアン・キートン、ジュリア・ロバーツ。反対側ではダスティン・ホフマンにハーヴェイ・カイテルにドナルド・サザーランド。それぞれはセリフを解体され、ただ滑稽なやりとりを繰り返すために再構成させるためだけにいる。そのサンプリングの面白さは上のフランチェスコ・ヴェッゾーリとは正反対のものだ。同じハリウッドスターを登場させるこの二人の作品の違いを考えるだけでも十分に面白い。
    ちなみに02年の「連続と侵犯」の時にはカレン・カーペンター、アニー・レノックス、ホイットニー・ヒューストンをそれぞれ二人ずつ向き合わせて「YOU」、「I」だけ切り出してループさせていた。こちらもとても印象に残っている。

    Bernard Frize

    Bernard Frize今回のペインティングの中で一番良かったのはフランスの彼の作品。ブラシストロークと、「混ざる」「重なる」「触れる」といった絵の具の性質をうまく使い、光を感じるオーソドックスな平面な作品。こういう場で期待しがちな「真新しさ」は全くないといっていいけれど、久しぶりに「絵」としてきれいな作品を見た気がした。会場の白い空間にとてもマッチしていた。

  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 3

    前回もそうだけれど、今回も映像が多い。ここまでもいくつかあるけれど、こういう場所でただ長い映像を何の工夫もなく見せられるのは本当に時間を搾取されている気がする。何かしらの入口を用意してくれていればすんなりと入っていけるのだが…

    Mona Hatoum

    Mona Hatoumそんな流れに少し辟易している中、このシンプルな作品はとても印象的。白い砂を金属の櫛がゆっくりと回転しながらレコードのような溝を刻み続けていく。Zen Gardenのような静けさとマスマティカルな造形の美しさ。

    Blue Noses

    Blue Noses嫌悪感を抱く人も多そうだが、自分的にはかなりハマったBlue Nosesのビデオ作品。はっきり言ってどれもふざけすぎなのだけれど、ステレオタイプなフェミニズムの作品に対しての強烈なアンチになっていて、そのシニカルさは痛快なほど。短いループの映像に早回しの高いキャッキャッという音声。

    Bluenoses2パンツを履いたままのSEXの真似事… 最初裸の女性が逃げてきて、何かと思うと次に今度裸の男性が追いかけてるかと思えばやっぱり何かから逃げていて、最後出てくるのは海で使うようなビニール製の空気で膨らますワニ… ピンに見立てた女性3人を自分が転がって倒すボーリング…
    そんなくだらない映像が段ボールの箱の中に上から投影されていて、楽しそうな音声につられて箱を覗くとその光景である。それを見た瞬間の観客の反応がまた面白い。露骨に嫌悪感を現して目をそむける人、苦笑いするしかない人、じっと見入る人。子どもが楽しそうに見てたりするのはちょっと心配でもあるけれど。

    さて、前のエントリーでの「Guerrilla Girlsがなぜ寒いか」にここで触れる。

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  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 2

    ALWAYS A LITTLE FURTHER
    ArsenaleでのExhibitionタイトルは上のものだが、全体には「女性」というテーマが流れている。

    Joana Vasconcelos

    Joana会場を入ってすぐ、Guerrilla Girlsの寒ーいポスター群に迎えられて今回のビエンナーレがとても不安になるが、その部屋の中央にあるこの巨大なインスタレーションに少し安心する。ポルトガルのアーティストである彼女の作ったこの大きなシャンデリアはなんと14,000のタンポンで出来ている。そのなんとも異様な美しさが今回のArsenalの展示をある意味で象徴していたのかも知れない。
    Guerrilla Girsがなぜ寒いかは後で触れる。

    Berni Searle

    南アフリカはケープタウンの作家Berni Searleのビデオ作品は、暗闇の中、広い野外にいくつもセッティングされた鍋が火にくべられているのをゆっくりと周りながら映像に収めている、ただそれだけなんだけれどなんとも美しい。火がパチパチというその赤さ、明るさを見ているだけでやっぱり人間は見入ってしまうものだと思った。プリミティブにきれいだと思った。

    Subodh Gupta

    Subodhインドの作家。ステンレスの冷たい光沢がなんとも美しいインスタレーション。いくつものキャビネットに収められた鍋、パン、キッチンツール。女性の作品かと思ったらどうやら男性らしい。料理、キッチンというモチーフだけに、美しさの裏の強迫観念的なものが際立っている。

    Gregor Schneider

    グレゴール・シュナイダーは完全にやってしまってる…カタログには穴あけてしまってるし、今どきの美大生だってもっとましなプレゼン作るよ。期待していただけにがっかり。

  • 51.ヴェネツィア・ビエンナーレ 1

    ヴェネツィア・ビエンナーレはメインのGiardani公園とArsenaleを中心に市内に散らばるいくつかの国のパビリオンや、関連(便乗?)するその他のイベント、企画で構成されている。メインの2会場はいいものの、他も全部回ろうと思うと入り組んだベニスの街中で途方に暮れるし、辿り着いてみたらショボくてがっかりというケースも多い。ちなみにGiardaniは月曜が休みでArsenaleは火曜が休み。これを考慮に入れないと短い滞在の場合は全部見るのが大変きついか、もしくは無理になってしまう。これは前回の経験で知っているので予定ばっちり。

    さてメインの2会場での展示から気になったもの、面白かったものなどを取り上げていきます。

    ベニスにドイツから鉄道で入ったのが月曜日の朝なので、部屋に荷物を置いたらクロワッサンとカプチーノのイタリア式な朝食をとり、10時のオープン直後に早速Arsenaleに乗り込む。
    続く…

    さて作品を紹介するにあたり、僕の撮影した写真を載せますが、その作品の権利は当然その作家にあります。写真も気持ち小さくしておきます。

  • 企画展示作品のその後

    たけくまメモ: OTAKU展、その後の難題より、こんな話を知った。

    「OTAKU展の展示物を引き取ってくれる施設が見つからない」

    とのこと。要するにあれですよ、あそこで展示された食玩とかフィギュアとか、同人誌とかポスターとか、その他もろもろの膨大なオタクアイテムの行き場に困っているそうなんです。

    よくありそうな話ではあるが、「ベネツィア・ビエンナーレ」、「オタク」というキーワードを含んでいるだけにちょっと様子も違うように思う。せっかくなので、展覧会の時に書かなかったことを思い出しながら書きます。

    ビエンナーレでの好評の噂を聞き、おまけのおかげかAmazonでも異様な盛り上がりを見せた「OTAKU展」。僕も東京都写真美術館で見たのだけれど、展示の内容とは別のところばかり気になってしまった。一番は「誰が、どんな人が見に来ているのか?」アート関係者か、建築関係者か、オタクか、自分がオタクだということに気付いてないオタクか。ただの怖いもの見たさか。自分がどれに当てはまるのかも問題だが、僕の行った時は「自分がオタクだということに気付いてないオタク」が多かったように思う。もちろん「オタク」はオタクで全然いいのだけれど、「自分がオタクだということに気付いてないオタク(という言い方もどうなんだろう?)」が友人と「オタク」を蔑んでいるような会話を多く聞かされてなんとも嫌な気分になった。

    あともう一つは展示されていた写真に関してである。

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