自由と監獄、孤独と復讐 「オールドボーイ」2

Oldboy-Summicron

不条理な15年(10年)の「監禁」のあいだ、食事は毎日中華料理店の出前で餃子と中華そば(もやしそば他)を与えられる。その間毎日食べつづけた餃子の味と、15年でただ一度奇跡的に紛れ込んだ紙片に読んだ店の名を頼りに、その店を、自分が監禁された場所を突き止めようとする。

餃子の味、舌の記憶

10年間食い続けた“中華”の味を忘れるものか

ねえ 餃子じゃなきゃダメなの?

そんなこともないが餃子ほど店によって味に特徴のある中華料理はない気がする
仕込みがいっしょならば誰が焼いても同じ味だろう

(原作)

原作者の土屋ガロンは「中華料理なら毎日食べても栄養のバランスは比較的とれるだろう」ということで、中華、それも餃子をキーに据える。ちなみにマンガ中では焼き餃子、映画では揚げ餃子を食べている。

実は餃子は仕込み店毎に決まってるシンプルな料理だからこそ、出す前の「焼き(揚げ)」が重要で料理人の火加減のその微々たる差が味を大きく左右するのではないかとも思う。さすがに15年ともなれば、そのブレは毎日の舌の記憶の中の誤差範囲に収まってくるとも思うが。それにしても15年も毎日同じものを食べなければいけない状況というのは考えただけでも厳しいものがある。

中華料理の毎日から解放された主人公が風景がキラキラ光って見えた世界で初めに食べたものは、活きているタコ(映画)、ビール(マンガ)だった。

長い監禁生活から解放される時、長い海外生活から帰国する時、長い食事の摂生から解放される時、そして死刑を宣告された者の最期の時。人は何を食べたいと思うだろうか。その長かった時間の重さから自由になる時、その人の背負っていたいろんなリアルがそのメニューには表出するだろう。“FINALMEALS”という作品もある。

What is the flavour of the walk into death?
それは甘いのだろうか、苦いのだろうか。

ふたりはまるで必然のごとく夜の渋谷のセンター街の
裏路の居酒屋で出会い・・・・・
やがて愛し合う・・・・・・

(原作)

この監禁は、その新しい世界への最初の一口さえコントロールされている。15年の監禁生活からの解き放たれた先はより広く邪悪な監獄だった。

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