牛腸茂雄の、個人と世界との関係

東京国立近代美術館「牛腸茂雄 -A Retrospective 」。牛腸茂雄の写真は「コンポラ写真」という言葉や、氏の事をよく知る前から気になっていた。同じ格好をした子供二人(双子?)が並ぶ写真や、肉体的にハンディキャップを背負った人のポートレイトなどを初めて見たときは、勝手にダイアン・アーバスと結び付けていたりもした。もちろんそれが作家、牛腸自身だとは知らなかった。「SELF AND OTHERS」と名づけられた写真集はその後知ったが、今回の回顧展で牛腸の写真がなぜずっと気になっていたのか少しだけわかってきた気がする。

「ある人間にとって世界を生き生きとしたものにするために、あるいは、人がそこに身を寄せている現実を一瞥で、一つの身振りで、一つの言葉で味気ないものにしてしまうために、もう一人の人間ほど効果的な作因は存在しないように思われる。」(アーヴィング・ゴフマン)

そういうことだと思う。

「彼はその歯がゆいコミュニケーションの成立に向けて、数年にわたる作業を続け、今ここに写真集とした。」(大辻清司)

写真という行為の中の「見る・見られる」の関係。まなざし。コミュニケーションのこと(それはいつも思い通りに行くものではなく)。自分の事。社会を見つめること。外世界と内面世界。そういう普遍的なこと。

写真という手段を体験して、自分の中で大きくなってきたのはそんなところを大きく含んでいると思う。

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One Response to “牛腸茂雄の、個人と世界との関係”

  1. scannersブログ

    「牛腸茂雄展?自己と他者?」(三鷹市美術ギャラリー/三鷹市芸術文化センター)
     1日も早く見たかった写真展をやっと見ることができた。

     今回の写真展は決して長いとはいえない牛腸茂雄の作家活動のほぼ全体を網羅する大規模な写真展だ。駅前の三鷹市美術ギャラリーと、駅から徒歩12分の三鷹市芸術文化センターの2カ所で同時開催され、9月28日(…

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