デ・ニーロつながりでタクシー・ドライバー

taxi.jpgヴェトナムが終わり帰還したトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)。正義のやり場のなさ、悪臭に満ちた都会の閉塞感の中で、その「正義」(それは本当に正しいか?)のやり場を見つけ出せない。トラヴィスは一見してどこか壊れているのだけれど、それは彼の言葉に出てくるとおり、「誰もが抱えている欠点」なのかも知れない。これを見ている我々は本当に彼とは違うだろうか?

トラヴィスが愛する両親に向けた手紙から。

元気で稼いでいます。
この半年ほど立派な女性と付き合っています。
この手紙でみんなのことを祈ります。
お元気で。
心配は無用です。
そのうちひょっこり顔を出します。
それではまた。

これだけ読むと何の変哲もない普通の文章だが映画を見ている我々には、トラヴィスの実際とこの内容の食い違いがわかる。まわりに期待される、そしてそれに答えたい自分像とのギャップ、それ自体に彼は飲まれていっているんじゃないか。

そして加速していく彼が、次期大統領候補の暗殺に失敗したその足で、12歳半(!)の娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)を囲うピンプのスポーツ(ハーヴェイ・カイテル)等を撃ち殺す。そのスマートでない描写が気持ち悪いほどリアリティを持つ。
そして彼はギャングスタを殺したヒーローになって社会復帰をしていくんだけれど、それでいいのか!

このなんともいえない”やりきれなさ”は、現在のブッシュのアメリカを見ているのと同じだと思うだけれど。

余談:ジョディ・フォスターの台詞の中に”HIGH&MIGHTY”の声ネタを見つけました。

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One Response to “デ・ニーロつながりでタクシー・ドライバー”

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