黒猫・白猫 – goo 映画
1998年 仏・独・ユーゴスラビア
監督:エミール・クストリッツァ
演奏:NO SMOKING ORCHESTRA
出演:バイラム・セヴェルジャン
スルジャン・トロイヴィッチ
フロリアン・アジニ
リュビシャ・アジョヴィッチ
こんなにも登場人物みんなが生き生きとしている映画はそんなにはない。このサイトでも採り上げてきた旧ユーゴ出身の監督達のどの作品もユーモアこそ絶対忘れてないが、ここまで陽気であっけらかんとしているのはこれくらいだ(同監督の”アンダーグラウンド”ももちろんあるが、それよりもさらに)。戦争のことは直接に描かれていない。
そのあたりはいろんなレビューで書かれているので、もう少し違った側面から見てみる。
登場人物のほとんどはジプシー、特にブルガリアを中心に多い「ロマ」と言われる人々。ブルガリアのことは詳しく知らないのであまり触れることはできないけど、サラエヴォにもたくさんいるんだけれど、いつも問題の外に置かれている。ボスニアの内外で語られる民族の問題は、いつもボスニア人(あるいはムスリム)、セルビア人、クロアチア人だ。
作品の舞台はブルガリアとの国境近くのユーゴスラビア(現在はセルビア・モンテネグロ)の田舎町。
ラスト近くに出るセリフから:
「僕はここを出る決心をしたよ」
「賢い決心だ。ここは太陽がない」
若者は船に乗って町(国?)を離れていくが、残るものにとっては
「これが美しい友情の始まりだ」
黒猫と白猫はまあ最後は、どたばたドンチャン騒ぎの末に仲良くやっていく(しかない)のです。最後にこんなに堂々と"HAPPY END"って監督自らが入れる映画ってある?
< この記事は以前"Web of Activities"に書いたものです。 >
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