THE BIG ONE ザ・ビッグ・ワン
1997年 英米合作
監督・脚本 マイケル・ムーア
自著「Downsize This!」のキャンペーンツアーで全米47都市を回るなか、どこかがおかしくなっているアメリカの大企業、大規模なレイオフについてCEOにインタビューを求めて、アポなしで突撃する模様をおさめたドキュメンタリー。去年大きな話題になった「ボウリング・フォー・コロンバイン Bowling for Columbine」に通じる社会の病にシリアスに迫りながら、決してユーモアを忘れないのが彼の姿勢。だからこそ映画にも、言動にも訴求力が大きいわけだ。もちろん、彼の主張は必ずしも正しいものではないだろうし、個人的な見解も否定できない。
講演会でのこんなやりとりも。
利益を上げたいだけならなぜGMは麻薬を売らない?麻薬を売れば莫大な利益になる。重さ900キロの麻薬でGMの収益は1000ドル。900キロの麻薬を売れば100万ドルだ。なぜ売らないんだ?
ここで会場の声に一本とられる
「CIAが独占している!」
でも彼もしっかりあとを続ける。
正直麻薬事業はGMに任せたいね。なぜって彼らなら失敗して5年でこの世から麻薬を撲滅してくれる。大コケするに決まってる。
この映画が、「Bowling for Columbine」と違うのは、ラストのナイキCEOとのやりとりがどうも要領を得たシメにならないところのもどかしさ。その辺がリアルでこの映画の魅力にもなっている。
華氏911を配給することになったミラマックス。マイケル・ムーア映画の配給はこの映画が縁になっている。
ミラマックス共同会長のハーヴェイ・ワインスタインはトロント映画祭で『The Big One』を観て、ナイト会長(ナイキ)を上回る慈善を行わなければと思った。映画を買い、ミラマックス側の興行収入から50%をミシガン州フリントに寄付することにした。
< この記事は以前"Web of Activities"に書いたものです。 >
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