iCon スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ-偶像復活スティーブ・ジョブズ-偶像復活
ジェフリー・S・ヤング (著), ウィリアム・L・サイモン (著), 井口 耕二 (翻訳)

2005年、Mac miniとiPod shuffle を発表するにいたるまでの、アップル = スティーブ・ジョブズの非公認ノンフィクション。

僕のいた研究室の助教授(現在准教授)は日本の美術家の中でも二重の意味でマックと関わりの深い人であったのだけれども、そこまでMac好きでもない自分がこの本を“今”読もうと思って手にしたのは、以下のブログの記事で、スティーブ・ジョブズの2005年のスタンフォード大学でのスピーチを観たのがきっかけ。

ここで、ゆっくりと一つ一つのことを話していく、スティーブ。彼がどういう風にアップルを創り、追われ、戻ってきて、そしていまに至るのか。彼がどういう人間なのか。もちろんそれは直接彼に触れ、振り回された人にしかわからないのかも知れない(もっとも彼のことを本当にわかっている人は1人もいないのかも知れません)。『iCon』で描かれるこれまでの言動からの見えてくる人間像と、スピーチでの速度、表情、リズムから見えてくる人間像。

Stay hungry, Stay foolish.

自分を動かすきっかけとなるもの、モチベーション、本との出会い、人との出会い。作家との出会い。作品との出会い。テクノロジーとの出会いもあるかも知れない。
彼のようになりたいとは思わないし、なれるとも思わないけれど、自分が社会の中で「大人」になってしまって、見えなくなってしまっていた「衝動」をいろいろ思い出させられた。

美術やデザインの世界でも今は前ほど「Macでなきゃ」と言うことはなく、ましてやWEBデザインの業界ではユーザーのブラウザ環境というものがあるので、Windowsで制作している方が多い。自分の会社でも、ブラウザチェックでしかMacを触らない人のほうが多いくらい。

熱狂的なMac好きと同じく、感情的なほどのMac毛嫌いも多いのだけれど、それはそれでどっちももったいなく思う。MacはMacの思想で作られていて、Windowsは違うものを目指して作られてきた。正しくは、同じ方向を向いて作ろうとされてきたのかも知れないけれど、スティーブ・ジョブズが絶対に譲れないポイントとして守ってきたものがあったから、良くも悪くもMacはMacになった。

デザインが好きか嫌いかは好みの問題も大きいので別にして、人間が触る道具としてずっとスティーブがこだわってきた表面の仕上げだったり、インターフェイスだったり。

徹底的にこだわる、絶対に譲れないラインというのは、その人がどういうデザイナーであるのか、アーティストであるのかということに大きく関わってくる。おそらく他の多くの人にも。そしてその人の、その人の作るものの魅力の大きな要因となっている。

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