作家は多くの場合、法的な事に弱いか関心がない。もちろん作家が法律を全て諳んじている必要はないのだが、自分の作品表現をすすめる上でのボーダーとして、また自分の制作した作品、コンテンツを望むカタチで提供していきたい、守っていきたいのであれば、そこにはちゃんとした拠り所が必要になってくる。
依頼仕事や契約関係の場合、アーティストの多くは労働時間や具体的な成果としてわかりやすい数値を出せないのでいろいろと問題が起きてくるケースもある。実際僕でさえ契約の問題でトラブルになったことがある。
そこで去年からスタートした VLA Tokyo office 改め Arts & Law – Creative Support@Legal。以下引用。
私たちALの設立趣旨は、アーティスト・クリエイターや表現に関係するNPO・学生団体・教育機関等が、安心して活動の幅が広げていけるように、社会環境を整えることです。そして法律相談にとどまらず、アーティストやNPO、専門家、一般支援者とともに、アートコミュニティの形成に寄与していきます。
なんとも頼もしい限りだが、もちろんそこにただ甘えているのでなく、アーティストサイドでももう少し自覚を持って、ある場合は意識的にボーダーを踏んだり、ちゃんとクリアするところはする、それでまた作品や活動として今度は"Arts & Law"にフィードバックをしていければ、今よりもずっと良くなっていくかな、と思う。ねえ?
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代表の tmk a.k.a. tomoki 君、学年こそ一つ違うが実は同じ中高の出身だ。全然学校自体は美術とは関係のないのだけど、こうしてマイナーな世界でリンクするというのはなかなか面白い。大体彼と知り合ったのも芸大でだ。確か芸祭での糸井重里の講演会でだったと思う。その時「アーティストはどうやって食っていけばいいのか?」という問いに糸井氏が「バイトをして食っていけ」とはっきり言ってくれたのが逆に頼もしかった。歌が好きだったらカラオケ屋でバイトしているうちに、カラオケの先生になって、もっと歌がうまかったらそのうち冠二郎みたいにいつかデビューできるよ。
いやだ、そんなの。
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宣伝ありがとう。今は使えるものをできるだけ使って活動を浸透させていこうとしています。
アーティストサイドがしっかりするためには、法律面や契約面を含めて、活動をbuildしていくための共通言語みたいなものを誰かが提供していく必要もあると思います。もちろん、本来はそれはArts&Lawのような法律専門のところではなく、アーティストのギルド、あるいは文化政策担当者がやるべきことだと思うのですが、肝心のアーティストの方にそういうものが必要であるという認識があまりない、という構造的な欠陥があるために自然発生してこなかったような気がします。
Arts&Lawの活動の中から、横のつながりや実効的な政策提言につながる新しい流れを作りだしていこうと思います。
今ある状況や環境のせいにするのは簡単だけど、それでは何も意味ないし、言い訳にしてるだけだからね。
アーティスト同士の繋がりには興味あるし、必要性も感じているんだけど、なかなかカタチにしていくのは難しいね。デリケートな問題なのか、意識の低さの問題なのか…