「ロハスブランドのライセンス事業」に


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NIKKEI NETのニュースから。

 三井物産が来春、米国で健康と環境に配慮したライフスタイルとして注目されている「ロハス(LOHAS)」をブランドとして管理するライセンス事業を始める。日本で商標の大半を保有するトド・プレス(東京・中央)と契約、三井物産が2社の商標を一括管理し、衣料品や食品など幅広い商品の展開を働きかける。

三井物産、「ロハス」のブランド管理: NIKKEI NET:企業

ハイハイ、ロハスワロス。

僕は「ソトコト」と「ロハス(LOHAS)」「スローフード」を全く支持しない。ソトコトのそれらと"LOHAS", "slow food"とは別物である。

2003年に撮影・制作、2004年に卒業制作として発表した「slow food」という作品の直接のきっかけはアートという戦場-ソーシャルアート入門で岩田が触れている通り、サラエボでの体験であるが、それを編集、作品化するにあたって大きなモチーフになったのはまさにソトコトが行なってきた「スローフード」のファッション化への疑問である。

 関連するブログとか見て回ってたのだが、一番ワロタのが「R25」のブログ。「LOHAS、知らないな~んて言ってるあなた?相当カッコ悪いですよ」って、カッコワルイのは君だ。で、最後のまとめが「少しずつ、自分のため・将来のために 俺のライフスタイルはLOHASを取り入れてる! って言えるようになるのが、モテモテへの近道?」だって。

[R30]: LOHASは「サブマリン商標」の成功事例か

結局「スローフード」も「ロハス」もこのレベルの認識しかされてないわけだ。

毎号毎号紙面にてタレントを使って繰り返されるスローフード、確かにそれは slow food を広めるハブとしての意味は確かにあるだろう。しかしそうして広められたスローフードは slow food を矮小化したものでしかない。ソトコト以外でもスローフードは何度も使い回され、そして流行として消費され陳腐化していった。ソトコトの表紙がスローフードからロハスに代わった時、「あっ、いいもの(おいしいもの)を見つけたな、ソトコト」と思った。スローフードがスローライフその他の派生を産みながらも、取り込みきれなかったものが全部「ロハス」でカバーできた。

ずっと感じてきていた何とも言えない胡散臭さをどうしたら説明出来るか?と考えていたのだけれど、今回のライセンス事業のニュースで大分はっきりしてきたのではないかと思う。

上の[R30]記事中で触れられていた「正しいLOHAS 怪しいLOHAS: 逆説的経済ウォッチ」中のパタゴニア創業者の言葉を引用したい。

 「パタゴニアはLOHASとは関係ない。多くの人たちがLOHASに乗ろうとしているが、その一部は必ずしも真剣ではないと思う。LOHASは単なるマーケティング用語だ」

ソトコトと三井物産の「ロハス」ブランドのライセンス管理を合わせて考えてみると、ソトコトが広めたかったのは"LOHAS"ではなくて、商品になる「ロハス」なのがはっきりわかると思う。

今回の日経記事まわりで、日本における"LOHAS"のまとめとして、ロハスウォッチャー坂井さんの「三井物産、「ロハス」のブランド管理」という記事がある。最後の方の

自分の価値観で選べる生活者、消費者がいて、社会的責任をもって企業活動する企業がいてはじめてLOHASの社会的効果があらわれるものだと思っています。

という意見にはもちろん賛成だが、やはり記事中でまとめられている中での積水ハウスの件については見逃すことは出来ない。

NaYOGAでは2005年に入ってから積水ハウスさんの新マンションプロジェクトのプロモーション協力の話をいただいていてLOHASの商用利用についてついて調べたりしていました。LOHASはみなとみらいのM.M.TOWETRSでコンセプトとして使っていたので利用許可は下りずに積水ハウスさんは Life of 24℃という独自のコンセプトを打ち出しました。
LOHASの商標利用について考えるのもいいのですが企業としての考えがベースにあるのであればLOHASという言葉にこだわらずに積水ハウスさんのように独自のコンセプトを打ち出すのも一つの方法かと思います。

ソトコトと三井物産がライセンスを管理、排他していくことはそもそもの"LOHAS"の思想の普及の障害にしかならないと思うのだけどどうだろう。

ソトコト最新号「Lohas / デザインのキーワード」139ページでは「ロハス商標何でも相談室」として、ソトコト以外で「ロハス」を使ったメディアを断罪している。つまりソトコトは「"LOHAS"を広めたい」のではなくて、「自分が広めたロハスを使ってマーケットを独占したい」だけなのだ。

実は日経の記事以前からソトコト自身に顕れていたのだ。

ソトコトへの疑念はいつしか"LOHAS"への疑念に繋がりかねない。5年後、3年後にどれだけ"LOHAS"が流行でなく、本当のライフスタイルとして浸透しているか。その時にきっとソトコトはまた別のおいしいキーワードを見つけて、また善良な読者を煽るだけ煽っていかにマーケティングに繋げるかを考えていることだろう。

僕はソトコトを支持しない。


ホワイトバンドの時もそうだけれどネット上のこういう声は張本人や広告代理店なんかには全く痛くも何ともないのだろう。ホワイトバンドは相変わらず書店やレコード店においてあるし、ポーズとして今も通用するところでは通用している。Web Designing最新号(2005/12)で、博報堂のアートディレクターが

単なる募金や、赤い羽根などの記念装飾品ではなく、実用に訴えるファッション性と身につけることによる態度表明の明快な折衷が、ホワイトバンドの話題性に繋がっていると考える

なんて言っているのには白々しさを感じるというよりも、飽きれて感心してしまった。

ソトコトやホワイトバンドによる薄っぺらな態度表明なんてもういい加減やめませんか。

ホワイトバンドの件をご存知ない方はこちらを。

ホワイトバンドを買う、ソトコトとロハス商品を買う。それで得られる錯覚は状況の改善に良い効果をもたらさないどころか、錯覚の積み重ねが結局悪い方向にしか働かないだろう事をもっと考えた方がいい。

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2 Responses to “「ロハスブランドのライセンス事業」に”

  1. junko

    この手の話聞くと、吐き気と苛立ちのあとに白々しさでいっぱいになる。私もホワイトバンドは全く支持しません。出来ることをちゃんとやれって言いたくなります。全てはファッションとして消費されてゆくのみ。

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