続・バッタを食べた。

虫を食べる文化誌5月中ずっと、このブログの右側に載せていた梅谷献二さんの「虫を食べる文化誌」。以前ここで「バッタを食べた。」として記事に書いたお店にあった新聞の切り抜きでこの本を知り、すぐAmazonでポチッと手に入れた。その時の記事はこのブログにしては珍しく、たくさんリアクションをいただいた。

現代の多くの欧米人は虫を食べることはあまりないのだが、「食虫習俗」にたいしてどういう反応をとるのだろう?と興味を持っていたところ、Flickr!にちょうど「虫を食べた」という記事があったのでしばらくその反応を見ていた。hans sさん(オランダ人)のmealwormsという写真なのだが(虫ダメな人は見ないように)、それに対する他の人のコメントを見ていると、まあちょっとした冗談として軽く受け入れられている。もっと嫌悪感丸出しのリアクションもあるかと思っていたけれどもそこはFlickr!というソーシャルな場だというのもあるかも知れない。

「虫を食べる文化誌」の中で出てくる人類学者マーヴィン・ハリスの言葉に面白いものがあるので引用。

欧米人が昆虫を食べないのは「昆虫がきたならしく、吐き気をもよおすからではない。私たちは昆虫を食べないがゆえに、それはきたならしく、吐き気をもよおすものなのである。」(板橋作美訳)

ちなみに上のリンク先のFlickrの写真に撮られているのはアメリカ人がジョークとしてキャンディに入れていた「ミールワーム」である。

虫が大好きだった少年たちはいつから虫を嫌うようになってしまったのだろうか?僕も今では虫が苦手なんだけれど、子供の時は昆虫図鑑が何より好きでマイマイカブリ、コオイムシなどマイナーでマニアックな虫を飼っていた。カブトムシはメジャー過ぎてあまり魅かれなかった。

僕が「虫を食べてみたい」と思うのは、やはり興味本位からなのだけれど、その興味というのは味よりもそれを食べる文化、理由の方に向けてである。食べ物の違いは文化の違い、習慣の違い。そんなことでつまらない行き違いが起こってしまうケースに出くわすと、とても淋しく感じてしまう。

世界の知らないどこかには、まだ食べたことがないものがたくさんあるって言うのはとても素敵なことじゃない?

この本の前半は食虫の話に入る前段階として小さな虫の愛すべき性質をいくつか紹介しているのだけれど、それがとても面白い。交尾の際に雄が相手の雌に既交尾の印として貞操帯を取り付けるギフチョウ、雌に食われながら交尾を完結させるカマキリの雄。「断頭による雄の性欲昂進」、そんなカマキリを愛おしいと思わない?

本の著者、梅谷献二さんは国の機関で農作物の害虫をどうやって駆除するかをずっと研究してきたが、虫好きが故にそのことにうしろめたさを感じていたそうだ。その氏が職業を離れて、今度は好きな虫を生かす道として、「地上最大の未利用資源」として虫を、そして「虫を食べる文化」をまとめてきたことが何よりも興味深いことに感じた。

その好きなものとのディープな関わり方には、学ぶべきところが多いと思う。

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