December 30, 2004

Before and After "Delia"  セレブシェフ

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栗原はるみが今年ロンドンに上陸したとき、「日本のDelia Smith」という紹介をされていた。しかしDeliaが栗原はるみと異なるのは、彼女の書籍が百科事典のように分厚く、がっちりと硬い内容だということだ。レシピとしてまるで手軽ではない。
彼女の本のはじまりはタマゴの茹で方からはじまる。そら恐ろしく基礎からはじまる。それだけイギリス人の食に関する保守的姿勢は手堅いのだ。
イギリス人の知人が、田舎に住む彼の母親がロンドンを訪れたとき、そのころ(も)流行だったスシを食べに連れて行った。しかし彼女はけして口にしなかった。彼が言うには、彼女のママは初めて目にする食べものを怖がったのだという。...


...Deliaがメディアに登場する以前、イギリスの食事情は非常に一方通行だったという。日曜日はローストディナー、別の日はキャセロール(日本の煮込みのようなもの)、お昼にはサンドイッチ...とまるで決まっていた。言い方を変えれば、イギリス人はそれ以外の調理ができなかった。そんなイギリス人の食事情を溶解していったのがDeliaだった。彼女はタマゴの茹で方から説き、人々の信頼を得、そして新しい食材、調理法を紹介していった。Deliaがテレビや本で新しいものを紹介することで、保守的なイギリス人ママの不安感がぬぐわれていくのだ。(写真は12月初旬に彼女が紹介した日本(風)の照り焼きステーキ)
また一方で、彼女の登場が、イギリスの食メディアを開拓した。今日イギリスのテレビでたくさんのシェフを目にするのは、Deliaが食文化をメディアにおけるのひとつのモチーフとして開拓したのが大きい。「Delia以前、以降」という言葉を、イギリス人たちと食の話をする際に何度も耳にするのは、きっと大げさなことではないのだ。
しかしながら、クリスマスの週に彼女の10年前(!)のローストターキーの作り方の映像が今だ流れるのは、まだまだ存在するイギリスの食に対する保守的姿勢の象徴である。

...クリスマスにカントリーサイドにtrainで移動したとき、そこで目にしたのがDeliaの記念(?)電車だった。
彼女は名誉市民か何かなのだろうか...しかし彼女はフットボールクラブのオーナーでもあり、手広く活躍している。イギリス人はお金持ち(posh)になると、社会貢献をするのが常なのです。余談でした。

投稿者 Haruna : December 30, 2004 11:48 PM

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