September 1, 2004

黄色 - 米、林檎、時間のサイクル  Art

目黒美術館でやっている「色の博物誌 黄 地の力&空の光」が面白い。
色の博物誌 黄 地の力&空の光」 9/8(水)まで 目黒美術館
展覧会自体は、黄色というテーマから鉱物、土、壷、着物、絵画、インスタレーションまで集めたもの。その中で .automeal 的に採り上げたいのは、ドイツの現代美術作家ヴォルフガング・ライプの"rice-meal"。

ライプは黄色い花粉や、蜜蝋、ミルク、そして米など「生」のカプセルを丁寧に並べ、塗りこみ、並べていく作家である。実物を見ないとよくわからないところもあるけれど、その作品の静謐さは、あるスピリチュアルな力を持っている。今回展示されている"rice-meal"(meal!)は彼の代表作の一つで、米を上から小山状に注いだ皿をいくつか並べたものである(一つは花粉)。食べ物的に見ると、その米は日本の丸い米でなくて、外国でポピュラーな長い米だったのだけれど、上から注がれた米のその流れがとてもきれいだった。米の"つむじ"とでも言うような。

ライプについてはこちらをご覧下さい → http://www.jca-online.com/laib.html


もう一つ採り上げたいのはニルス・ウドというこれまたドイツの画家の写真のシリーズ。森の土の上に、林檎を、マロニエの葉を、ナラの葉を並べて撮っただけである。ただ、その並びは、若い緑から、黄色へ熟し、腐りまたは枯れていく茶色までのグラデーションになっている。食べ物に限らず生き物は全てみな歳をとり、老い、朽ちていく。それは当たり前のことなんだけれど、その林檎が経験していくその時間を1枚の写真の中に収めたところに面白さと、意味が出てくる。

「黄色」というテーマの中で生から死へのサイクルを感じれるのは美術の面白いところだ。そして、横には時間を経ても変わらない鉱物が静かに置かれている。

関連記事: Stolen Moments: 「色の博物誌 黄」-ライプ他

投稿者 Kei : September 1, 2004 7:18 PM

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