February 4, 2006
SHA RA KU MONOと山田耕民 tools
もう一つ「アレッタ千葉」12月号で紹介したツールを詳しくご紹介。
SHA RA KU MONO モデリスト シリコングローブ ブラック
グローブ型シリコン製鍋つかみ。
耐熱温度が220℃と高く、滑りにくく、丸洗いできる鍋つかみ。熱くなった鍋の柄や蓋を持つ時に使えるのはもちろん、瓶の蓋を開ける時にも便利に使える。さらには、ボールで力を入れて作業する時に下に敷くだけで、ボールがしっかり固定されて、ぐっと仕事がはかどる。
他におすすめの使い方は、フードプロセッサーを使用する時に下にかませるという方法。フードプロセッサーは比較的音が静かとされる"Cuisinart"製品でも、けっこう大きい音が出るもの。モーターのせいだけでなくて、構造上抑えられない振動が置いている場所と共振してしまうからなんだけど、そこにシリコングローブをかませると半分くらい静かになる。パソコンやオーディオの下の面にゴムやシリコンなどを貼るのと同じ考え方。フードプロセッサーの騒音に困っている方は一度お試しを。
本来の鍋つかみとして使う場合は、実はちょっとしたコツが必要。手の大きさとポケットの大きさがそのままでは合わず、しっくり来ないのだけれど、鍋の把手・ハンドルを握る時には、ミットがフィットする。手の平のカタチにミットを合わせるのではなく、ハンドルにミットを沿わせる感じ。
このグローブを取り上げたのにも、やっぱりもう少し理由があります。
この「SHA RA KU MONO(シャラク モノ)」というシリーズは、工業デザイナー山田耕民氏と明道という会社、新潟県燕市のメーカーとの企業間コラボレートで立ち上げられている。(昨年、明道株式会社が和平フレイズ株式会社と合併した事により、現在は和平フレイズ株式会社がSHA RA KU MONOシリーズも展開している。)
山田耕民氏というのは、柄と刃が一体のデザインで有名なGLOBAL(グローバル)ナイフのデザイナー。
ペンチやドライバーの、ただ置かれているだけの姿は、あまりきれいとは言えません。家庭用品というものは、使っていないとき、ただ置かれているだけでも、美しくあるべきだと思っています。道具がいつも邪魔にならないこと。そこに自然にあり、自然に使え、大きさや形になんの不都合もない。それが私の商品造りと生活のイメージです。
使っていない、ただ置かれているだけの姿を大事にデザインされた彼のツールはまた、GLOBALナイフをはじめとしてその使いやすさにもやっぱり定評がある。
SHA RA KU MONOのスタートにおける明道章一氏の考え方と、山田耕民氏との関わり、ブランド展開については新潟経営大学助教授西沢一光氏の「現代文化と現代経営(PDF)」というレポートが詳しい。
コンビニにあるカップラーメンでも、短期的な中でどんどん変わって行ってしまっていますが、全部変わって行っていいのかと思いますね。実は、一番売れているのは、日清のカップヌードルですよね。企業としては、やはり、継続性の中での進化という方向でいかないと、どんどんどんどん投資だけやって、商品のサイクルは短いということになってしまいます。
現代文化と現代経営-明道氏へのインタビュー2002年2月21日
めまぐるしく変化していく時代だからこそ、変わらないものを経営資源として蓄積していくことが重要だというのである。しかも、それはユーザーの満足の本質を見極めることによって初めて得られるのだという。
「考え方」を共有できた同士だけが本当の意味でのコラボレーションを実現できる
ということと、SHA RA KU MONOが展開しようとしてきていること、そして明道が最終的には「営業権譲渡」という形でコラボレーションの中心を降りねばならなかったということ。そのことを切実に考えてみたい。
投稿者 Kei : February 4, 2006 2:02 AM