January 23, 2005

フグの無毒化  Clockwork Orange

「毒」というのは、非常におもしろい存在である。食物アレルギーの人のように、他の人にはおいしい食べものでもその人にとっては「毒」であったする。「薬」も、ある意味体の毒であるから効能があるわけだし、また「ロミオとジュリエット」のように、人生の岐路に存在させられることも多い魅惑の存在である。

その「毒」がなくなったら、フグの魅力はまったく半減してしまうのかもしれない。
フグ毒は、餌を通して食物連鎖で蓄積されるという説があり、汚染のまったくなかった昔々は、フグは無毒だったのだという。縄文時代の貝塚から、トラフグの骨が多く見つかっているのは、彼等がフグの調理法を知っていたからではなく、フグに毒がなかったからだというのだ。
そんなわけで、餌に注目することで、無毒のトラフグを養殖しているのが滋賀県嬉野町である。町を「フグ肝特区」にしようと話題になっている。

torafugu.jpg食文化研究界のカリスマ、小泉先生(東京農大教授)の大好物フグの卵巣の漬け物は、毒があって、そのあと加工によって不思議にも消えてしまい、おいしく食べられるようになるというから「おいしい」のであって、無毒化されたトラフグになんだか「おいしい」気がしないのは、けして気のせいではないとおもう。

投稿者 Haruna : January 23, 2005 6:39 PM

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コメント

今テレビでやってる!(夕方のスーパーJとかいう小宮悦子のニュース番組)なんてタイムリーなんだ!!

Posted by: はな | January 25, 2005 6:27 PM

わたしもちょうど見ました!フグ肝特区の嬉野町は、雑誌クウネルの11月号にも特集されている"あじ"のある温泉町です。本当に特区になったら、"あじ"がなくなっちゃいそう、と少々不安でもあります。

Posted by: haruna | January 25, 2005 7:55 PM
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