February 20, 2006
チェバピカフェの意味 Art / 食紀行
以前、「サラエボと言えばチェバピ」の時に考えていた、
サラエボの報告展をやる時にみんなに食べてもらおうかな
と言うのが、SICE2006 "Transition Compound" 東京展(2006年2月15日~2月21日)の会期中、15日のオープニングレセプションと18日の座談会の際に、「チェバピカフェ」と言うかたちで実行することが出来ました。
.automeal としてではないのですが、せっかくなのでこちらでも紹介すればよかったなと、少し残念に思っています。
チェバピと言うのは何度か書きましたが、旧ユーゴ諸国でポピュラーな食べ物で、国によって多少は違いますが、ムスリムと呼ばれるイスラム教徒の多いサラエボでは、豚肉が食べられないこともあって、牛や羊を使用し、生の玉葱のみじん切りを添えるのが定番です。
展覧会には在日本ボスニア大使を始め、ボスニア・ヘルツェゴビナやスロベニアの方、現地を訪れたことのある方、新聞でボスニア料理に興味を持って下さった方などに来場して頂き、チェバピを食べてもらうことが出来ました。味も概ね好評だったようです。
よく海外で日本料理を食べてがっかりすることはありませんか?
あまり知られていない食べ物を紹介するということ、ネイティブの人に食べてもらうことと言うのは結構プレッシャーです。しかし、このチェバピと言う食べ物がサラエボでよく見かけるというだけでなく、決して洗練されてはいないシンプルというか素朴で少し癖もあり、栄養のバランスもとれているとは言い難いこの料理が「サラエボ」そして「ボスニア」に触れて頂くいいきっかけになるのではと、ずっと思っていました。
食べることは知ることです。その一見粗野なようだけど力強い肉の味の中に、チェバピそしてサラエボの魅力を感じて頂けたら幸いです。
そして日本に来日しているプロジェクトメンバーのサラエボ人たちがニコニコして何度もお替りを
しに来たり、周りのお客さんに自慢気にチェバピを紹介しているのをみて、こっちもとても嬉しくなりました。
準備でいっぱいいっぱいの間は、自分でも気づきませんでしたが、彼らにとっては、勝手の全然違う遠い国に来て、日本人が自分達の国の料理を作って振舞ってくれてるという事自体が嬉しかったのかも知れません。だって、サラエボでもグリーンランドでもエルサレムでもいいけど、そんな不安な場所でそこの人が、蕎麦を粉から挽いて手打ちで作ってくれたら誰だってきっと嬉しいはず。
いつものケータリングとは見た目こそ違うけれど、根底にある「おもてなし」ということはやっぱり同じです。
また何かの機会にさらに多くのみなさんに紹介できれば、と思います。
投稿者 Kei : February 20, 2006 8:41 AM